ベートーベン「各種ピアノソナタ」の楽章をはじめ、
さまざまな作曲家が「スケルツォ」を作曲しています。
それらに共通する特徴のひとつは、テンポが速いこと。
したがって、
「1/2の小節の長さ」
で書かれている楽曲が多くあります。
一例を挙げます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ 第15番 Op.28 第3楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
「点線で示した小節線」は、
実際の楽曲では「通常の小節線」で書かれています。
一方、
音楽的には「点線で示した小節線」が無いと考えて
6/4拍子で考えることも可能。
そのほうが、
音楽の流れや構成を把握しやすくなります。
繰り返しますが、
このように
「1/2の小節の長さで書かれている楽曲があること」
これが、スケルツォで多くみられる特徴のひとつ。
したがって、
スケルツォに取り組むときには
譜読みのはじめに
まずこの部分をチェックするといいでしょう。
それぞれの拍子には
「拍子の特徴」というものがあります。
例えば、
6/8拍子は「2拍子系の音楽」ですので、
「3/8拍子×2」とは音楽表現が異なります。
つまり、
3/8拍子で書かれたものを2倍にして
6/8拍子として考えてしまうと
基本的には
音楽として成立しなくなってしまう。
一方、
その例外になってくるのが
今回ご覧にいれたような「テンポが速いスケルツォ」の場合です。
「楽式論 石桁真礼生 著(音楽之友社)」の中でも
ショパンの「スケルツォ第2番」を例に出し、
「明らかに2倍の小節の長さで把握できる箇所」
について解説されています。
この書籍については
以前にレビュー記事を書いていますので
あわせて参考にしてください。
ピアノ演奏に活かせる!参考書「楽式論(音楽之友社)」レビュー
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