(参考図、Finaleで作成)
上段は「アーティキュレーション記号」としての
アクセントやスタッカートに関連するものです。
下段は「発想記号」としてのものです。
もちろんこれらは
比較的多く見られる記号の一部ですので
すべてではありません。
すでに
「こんなに多いのか…」
などとため息をつきたくなりますよね。
いや、むしろため息をついているあなたは立派です。
中には、
「とりあえずなんとなく短く切る」
「とりあえずなんとなく強調する」
などと、
それぞれを同一視している方も
多いのではないでしょうか。
(再掲)
図からわかるように、
「音を短く切る」という意味の記号だけをとってみても
さまざまな種類があります。
そこで、
それぞれ
「どう長さのニュアンスが違うのかどうか」
また、
「音の長さのことだけを示しているのではなく、記号にアクセントの意味も含まれているのかどうか」
などを整理しておきましょう。
音楽の入門者を対象に書かれた解説書などだと、
すべてを一括で
「その音を強調する」
「短く切る」
などと
おおざっぱな分類しかされていないケースもあります。
そして、その書かれ方のニュアンスも解説書によって異なります。
また、
国によってもややニュアンスが異なります。
例えば、
ドイツの先生は
sf を
「一段階ダイナミクスをあげる」
と指導することが多くあります。
「 mf なら f 」
「 f なら ff 」
といったように。
結局のところ、
記号の意味に100%の正解はなく
専門家の中でも考え方が異なるのです。
したがって、
自身で一冊音楽参考書などを用意し
その「一冊集中」で整理しておく方法がベストでしょう。
ポイントは、
いろいろな参考書から情報をバラバラにとってくるのではなく、
「一冊の参考書からとってくる」
ということ。
そうすれば、
情報の出どころが整理されて
整合性を保った学習をしていくことができます。
筆者自身は
「ニューグローブ世界音楽大事典」
をバイブルにしていますが、
ご自身が使いやすいと思うものであれば
基本的にどの参考書や辞典でもOK。
譜読みでは、
今回取り上げたような
「似ているけど異なる」といった
まぎらわしい記号の情報なども
細かく読み取っていきましょう。
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