記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
どの鍵盤がどの音なのかを一目で理解できるように
鍵盤に貼るステッカーってありますよね。
そのような「鍵盤シール」ですが、
大人の入門者にはオススメできません。
子どもの入門者の場合は
頭でしっかりと考えて学習することが
なかなかスムーズにいかないケースも多いので
鍵盤シールを利用するのもアリでしょう。
一方、
大人の入門者の場合は
頭で考えて学習進めていくことができます。
そういった場合は
シールで覚えた記憶というのが
かえって足を引っ張ったり
遠回りの原因になったりするのです。
私自身、教え始めた最初の頃は
自宅での練習でシールを使うように指導していました。
ところが、
シールを使わなかった学習者のほうが
総じて上達が速かったのです。
おそらく、
シールを貼ってしまうと
そのシールの文字を読んでしまうので
鍵盤そのものに慣れるわけではないからでしょう。
それに、
演奏するときに大事になってくる
「鍵盤を視覚的な距離で捉える力」
が伸びていきにくいというのもあるはずです。
1オクターブの中に白鍵盤は7個しかないのです。
あとは同じ組み合わせが並べられているだけ。
大人の方でしたら
少し頑張ればあっという間に覚えられます。
そもそも
「どの鍵盤がどの音なのか」
ということを覚えることくらいしか
鍵盤シールの役割はありません。
いろいろな工夫された製品が出ていますが、
本質的な役割は変わりません。
入門者用のテキストは充実していますので、
シールに頼らずともバッチリ学習をすすめられます。
オススメの入門用テキストは
という記事で紹介しています。
ちなみに、
私はヴァイオリンを習っていた時期があるのですが、
ヴァイオリンにも入門用シールがあります。
ギターみたいにフレットがあるわけではないので
音程を作るのが難しいヴァイオリン。
そこで、
「だいたいこの辺りを押さえれば、この音程が出ますよ」
というのを示すシールを
「指板」と言われる左手で押さえる部分に貼るのです。
入門時からずっと貼ったまま練習していたのですが、
新しい先生のところへ行ったとき
すぐにすべて剥がすように言われました。
「これでいくら練習しても、自分で判断して演奏する力はつかないから」
と言われて。
剥がして練習してみたらびっくり。
今まで出来ていたことがまったく出来なくなってしまったのです。
大部分がやり直しになりました。
ヴァイオリンの場合は
自分で音程をつくらないといけないので
ピアノでシールを貼る場合と
意味合いは少し異なります。
しかし、
「シールに頼ってちょっとばかりラクをしても、ほんとうの力はつかない」
ということは共通しているでしょう。
3つのやり方を提案します。
どれかを選んでみてください。
② 一時期のみ、「ドの音」など、オクターブの中での基準音だけシールを貼る
③ 今すぐ鍵盤シールをすべて剥がして、慣れていく
オススメ度は
③ → ② → ① の順番。
繰り返しますが、
今回の内容は
“大人の” 入門者に対してお伝えしています。
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