本記事では、ピアノ演奏における重要な記譜用語「sopra(ソプラ)」と「sotto(ソット)」について解説します。
これらの用語は、特に近現代の作品でよく目にする表記で、手の重なり方を指示する重要な演奏上の指標となります。
これらの用語は、特に近現代の作品でよく目にする表記で、手の重なり方を指示する重要な演奏上の指標となります。
「sopra」は「上に」、「sotto」は「下に」という意味を持つイタリア語です。
これらは手が重なるときに使用される用語で、sopraと記された音符を弾く手が上側に、sottoと記された手が下側になることを示しています。
具体例として、バルトーク「ミクロコスモス第5巻(122~139)133番 シンコペーション」を見てみましょう。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、11小節目)
この楽譜では、上段にsopra、下段にsottoと記されており、「右手が上、左手が下」という配置で演奏することを指示しています。
手の重なりが生じる箇所では、左右の手の上下位置によって演奏のしやすさが大きく変わってきます。
特に高度な楽曲では、数拍ごとに手の上下位置を入れ替える必要がある場合もあり、sopraやsottoによる指示は演奏者にとって非常に重要な情報となるでしょう。
このような手の重なりのテクニックは、バルトークだけでなく、ラヴェルの「前奏曲(1913)」や「水の戯れ」など、多くの近現代作品でも見られます。
これらのテクニックが必要な作品を練習する際は、sopraやsottoの指示がない箇所でも、自身で適切な手の配置を書き込んでおきましょう。
これにより、より効率的な練習が可能になり、スムーズな演奏につながります。
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