クレッシェンドをするときに、
「片手だけでおこなう方がいいのか」
「両手でおこなう方がいいのか」
これらの解釈は迷いますよね。
結論を言うと、
正解はありません。
しかし、以下のような数点は踏まえておきましょう。
♬ 急激に劇的に盛り上げたいのであれば、クレッシェンドをメロディだけでなく「伴奏パートでもサポートしてあげる」のが得策
これは、当然と言えば当然です。
伴奏パートでもサポートしてクレッシェンドすることで
盛り上げの効果を一層高めることができます。
一方、
伴奏がメロディを聴こえにくくしてしまわないように
注意する必要はあります。
♬ 伴奏だけ遠くで鳴り続けているように聴かせたいのであれば、伴奏は静かなままステイして、メロディだけクレッシェンドするのもアリ
オーケストラで言えば、
それぞれの手のパートを
「別の楽器」が演奏しているイメージです。
伴奏は静かなままステイして
メロディだけクレッシェンドさせていくことで
それまでは「弱音」だったそれぞれのパートが
グラデーションしていくような効果を出せます。
♬ J.S.バッハ「2声のインヴェンション」のように、それぞれのパートが独立した線を描いている場合は、クレッシェンドは基本的に「片方のパートのもの」と考えるべき
2声のインヴェンションには(解釈版でない限り)
クレッシェンドは書かれていません。
一方、ここで言いたいのは
「そのようなポリフォニーの楽曲では」
ということです。
「ポリフォニー(多声音楽)」の楽曲なのにも関わらず
両手で同じような表現をしてしまうと
「ホモフォニー(旋律+伴奏)」の楽曲に聴こえてしまいます。
部分的にそういう音楽になっているのであれば構いませんが…。
例えば、以上のような判断基準が挙げられるでしょう。
あなたの「解釈」つまり「表現したい内容」に合わせて
考えていきましょう。
難しいのはわかりますが、
一番よくないのは
「何となくでやってしまうこと」です。
弾きこんでいるうちに「違うなあ」と思えば
また再考すればいいのですが、
「このように弾こう」というのをいったん決定しておくことが
練習が積み重なっていくためには必要なこと。
ちなみに、
特に近現代以降の作品では
「それぞれのパートに個別の強弱が書かれているケース」
もあります。
その場合は分かりやすいですよね。
今回はクレッシェンドを取り上げましたが、
デクレッシェンドでも基本的な考え方は応用できます。
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