記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
一つ前の記事、
で使った譜例をもう一度登場させます。
ドビュッシー「夜想曲」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
2小節2拍目には小音符が登場します。
これは一種の「装飾的な音符」ですので
通常の装飾音符と同じように
小音符で書かれていると考えて構いません。
一方、
「拍の前に詰め込んだ装飾音符」などとは異なり、
ここでの小音符は
「2拍目に入っている通常の音符の役割」を持っています。
つまり、
12連符として大きな音符で記譜することもできてしまう。
ではなぜ、わざわざ小音符で書かれているのでしょうか。
(再掲)
真実のところはドビュッシーにきいてみないとわかりませんが、
これはおそらく
という意図は大きいでしょう。
そう考えて譜例を見ると、
「小音符よりも、到達点のF音のほうが重要な役割を持っている音」
だと改めて思えてきませんか。
正直、この辺りをどうするかは作曲家の任意なのです。
踏まえておいていただきたいのは
「特に近現代以降、譜面の役割が変わってくる」
ということ。
「作曲家は、譜面の見え方を自分の譜面だとわかる方向へ持っていく」
という傾向が出てきます。
例えば、
ベートーヴェンの譜面を見ると
強い個性自体は出ていますが
譜面の役割はあくまで「再現性」にあり
あらゆる人物がその楽曲を再現できるようにするために
譜面があるとも言えます。
「音型の十字架」などは、研究者が後づけたものです。
一方、
近現代以降、特に現代音楽の譜面だと
「譜面の見え方」にも強い哲学を求めるようになるので
多くの楽曲では
再現性以上のものが譜面に込められています。
ドビュッシーの譜面は
それらの過渡期にあると言っていいでしょう。
「譜面がどう見えるのか」
ということもある程度は重視しているはずです。
ドビュッシーの作品の中でも
後期になってくるにしたがって
この傾向はより顕著になってきます。
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