高速のテンポの楽曲で「プラルトリラー」を入れるのは、かなり難しいですよね。
例えば、次のような場合。
J.S.バッハ「パルティータ第1番 クーラント」より55小節目です。
クーラントは、舞曲の特色として
「3拍子系でテンポは極めて速い」のが特徴です。
従って、譜例の箇所を演奏しようと思ったら、かなり難しい。
それにこの時代の楽曲の装飾音符は基本的に拍の前には出しません。
さてどうすればいいでしょう。
今回お伝えする内容は、ウィーンで現地の先生が教えていた方法を元にしています。
高速のテンポで「プラルトリラー」を入れるとっておきのテクニックとは、
ということです。譜例を参照してください。
「え?それって反則じゃないの?」
と思いませんでしたか?
私も初めて学んだ時にはそう思いました。
ただ、これは高速のテンポの中で行うと
プラルトリラーをしているように聴こえるのです。
もちろん、
「高速のテンポ」で、なおかつ「短い音価」の場合のみ有効
ということには注意しましょう。
ゆっくりのテンポでやってしまったらバレバレです。
ひとつポイントがあります。同時に打鍵している印象を和らげるために、
「上の音の方をやや控えめに弾く」
ということが必須です。
譜例の箇所の場合は、
Es音よりもF音の方が控えめになるようにバランスをコントロールします。
そうすると一層プラルトリラーに近づくのです。
また、この和音全体を強く弾いてしまうと
つぶれたように聴こえてしまう可能性があるので気をつけましょう。
J.S.バッハ「パルティータ第1番 クーラント」を例にあげましたが、
もちろんテンポが速い楽曲であれば、他の楽曲にも応用できます。
モーツァルトなどの楽曲でもプラルトリラーは多く出てきますので、
このテクニックを覚えておくといいでしょう。
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