「限界を超えるピアノ演奏法」とは
(著 川上昌裕 / ヤマハミュージックメディア)
とは、2022年5月に刊行されたピアノ学習に有益な書籍です。
同筆者による、
「ピアニストは進化する「限界」を超える奇跡のピアノ指導」
(著 川上昌裕 / ヤマハミュージックメディア)
の内容を加筆・修正して文庫化されたものとなっています。
著者について
川上昌裕 氏は著名なクラシックピアニストであり、
東京音楽大学の准教授(2022年現在)として後進の指導にもあたっていらっしゃいます。
ピアニスト辻井伸行 氏を育てるなど、優れた指導力を持つことでも有名です。
ピアノ関連の話題を綴っているブログは評価が高く、ブログを元にした書籍が出版。
さらに、
2020年に亡くなった作曲家「カプースチン」との交流が深かった人物
ということも記憶に新しく、
カプースチン関連の「楽譜の監修」「録音」「初演」「書籍の出版」
などを多く担当してこられた音楽家です。
読者の対象レベル
ある程度専門的な内容も含まれますが、
とてもわかりやすい言葉で書かれているので
「バイエル修了程度」の力がある方でしたら
参考にできる箇所が多くあるはずです。
また、
「第2章 辻井伸行の指導法」など
ピアノ学習者のみならず
ピアノ教育者にとっても有益な内容が多く、
筆者の演奏経験や指導経験の両方が惜しみなく盛り込まれています。
「仕事へ向かう姿勢」など
単純に読み物として楽しめる内容も含まれており、
読者を選びません。
この書籍のオススメポイント
目次は次のようになっています。
第2章 辻井伸行の指導法とは
第3章 本物を目指すピアノ教育
第4章 海外に学ぶ
第5章 ピアニストとして生きる
第6章 無限の可能性を拓く
おわりに
目次からも読み取れるように
「演奏家の観点」「指導者の観点」
そのどちらからもアプローチされていることが大きな特徴です。
多くの書籍では、
指導経験をお持ちでないピアニストが演奏家の観点のみで書いていたり、
演奏活動をほとんどされていない先生が指導者の観点のみで書いているものが多い印象です。
もちろん、そういった書籍から学ぶことも多大なのですが、
本書では、
どちらの視点からも、それも「高いレヴェル」で語られていますので、
独自のポジションを持っている書籍となっています。
また、
「練習に役立つヒント」や
「テクニック面」のみでなく
「音楽とどう向き合うか」
などといった「音楽を通した生き方」を多く学べる内容となっており
多くの読者を巻き込んでくれます。
そういった点もオススメポイントの一つです。
個人的には、
ウィーンに留学経験のある川上氏が
海外での学習と日本での学習をフラットな目線で眺めている
「第4章 海外に学ぶ」
が特に気に入っています。
この書籍のウィークポイント
大変有益な書籍であり、ウィークポイントはありません。
一つだけ注意点を挙げるとしたら、
上述したように、
「ピアニストは進化する「限界」を超える奇跡のピアノ指導」
(著 川上昌裕 / ヤマハミュージックメディア)
の内容を加筆・修正して文庫化されたものが本書ですので、
内容に重複があります。
その点だけは理解しておくといいでしょう。
終わりに
ピアノ関連の書籍の中でも
ユーザーフレンドリーと言いますか、
読者にとってやさしく包み込まれるような内容が印象的な一冊です。
単行本だけでなく、電子書籍(Kindle版)もあります。
「Kindle Unlimited」に登録している方は
kindle電子書籍が「読み放題」になるのでオススメです。
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