♬ ピアノ音楽史の学習を始めたいから、おすすめの書籍を知りたい
♬ 手軽にざっくり学べる書籍を知りたい
♬ 本格的にがっつり学べる書籍を知りたい
このような方へ向けた記事です。
ピアノ音楽史に特化して書かれた書籍は
それほど多くはありませんので
手当たり次第に読んでみてもいいのですが、
その中でも筆者がおすすめする以下の2冊を紹介します。
◉ 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー 訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社
◉ ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル 訳 : 服部幸三 / 音楽之友社
著者のウィリ・アーペルは
ハーヴァード大学で音楽史の教授を歴任し
数多い論文、著書はピアノ音楽史によるものが
もっとも大きな比重を占めています。(訳者あとがき より)
こちらは、手軽にざっくり学びたい方に適した一冊。
287ページありますが、
譜例が多く、それも中には “楽曲全体” の譜例が収載されている作品もあるため、
意外と読むべき文字数は限られています。
その「譜例が多い」というのが本書の特徴でもあり、
該当の楽譜をもっていなくても
文字だけでは理解できない内容を
わかりやすく学習することが可能。
ページ数が限られているため、
具体的な作品そのものに関する記述は控えめで
どちらかというと
その時代や作曲家について大きく語られていきます。
ピアノという楽器が誕生するよりもずっと前の時代から始まり、
20世紀以降のピアノ音楽まで取り上げられているので、
ひと通りの知識を得ることができるでしょう。
◉ ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル 訳 : 服部幸三 / 音楽之友社
◉ 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー 訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社
著者のF.E.カービーは
米国レイク・フォレスト・カレッジで音楽史の教鞭をとっていました。
また、ピアノ音楽を中心としたアメリカの音楽雑誌「ピアノ・クォータリー」では、
レコード評や書評を担当してきました。(訳者あとがき より)
こちらは、本格的にがっつり学びたい方に適した一冊。
804ぺージもありますし
譜例は割と少なめなので、
文字による情報量という意味では圧倒的。
時代も広く扱っており
徹底的に学びたい方には適していますが、
ひとつ難点があります。
それは、
ある程度、さまざまなピアノ曲の知識がない読者には読み進めにくい構成になっていること。
少し飛躍しますが
映画の例でイメージしてみてください。
映画について書かれた書籍を読んでいると、
「○○のシーンで○○が起き、○○の表情が見え…」
などといった作品ありきの長い解説が見られますが、
これって、作品を知らない人にとっては
たいしたイメージもできないし、
ほんとうに読みにくいんですよ。
「鍵盤音楽の歴史」も、ややその傾向の記述方法がとられています。
つまり、あるピアノ曲を挙げて
その中身について
「○○のあとに○○が現れて、第2主題は…」
というような楽曲解説がされていく部分が多いので、
楽曲を知っているか
すべての楽譜を手元に置いていないと
読み進めにくいんです。
それでも、
ピアノを含めた鍵盤音楽史に特化して
これほどまでに圧倒的な情報量を誇る書籍は貴重ですので、
辞書代わりに手元に置いておくのもいいでしょう。
そういった使い方をするのであれば
強くおすすめできます。
◉ 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー 訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社
簡潔にまとめると…
ピアノ音楽史をはじめて学ぶのであれば、
◉ ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル 訳 : 服部幸三 / 音楽之友社
を使用し、
必要に応じて
◉ 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー 訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社
を辞書代わりに併用するのがベスト。
ピアノ音楽史やピアノ曲に結構知識があり、
時間をかけてさらにじっくり学んでいきたいのであれば、
F.E.カービー1本でもあり、
といったところでしょう。
使い方さえ工夫すれば
どちらもよい知識を与えてくれる良書です。
◉ ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル 訳 : 服部幸三 / 音楽之友社
◉ 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー 訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント