2-3分の楽曲でしたらなんとかなっても
7-8分程度の長さになってくると、
楽曲の後半で腕がアツアツ、ガクブルになってしまい
通して弾けないという方の声をよく耳にします。
本当でしたら
「脱力」や「楽曲の部分部分の演奏法」について
細かくアドバイスを差し上げられればベターなのですが
オンライン講座ではなかなかそうはいかないので、
今回は誰にでもできる基本事項だけを
お伝えしておきます。
当たり前のことのようですが、
それは、
ということです。
なぜこんなに基本的なことをあえて書くのかというと、
私が今までピアノを指導してきた経験上、
どんな楽曲でも
曲頭からずっとマックスで弾いてしまう学習が
意外にも多かったからです。
それに、
通し練習というのは「ある種の緊張感」があるせいか
演奏している本人はそのことに気がついていないケースが
ほとんどでした。
楽曲というのは
よほどの例外曲でない限り、
一曲の中での盛り上がりとそうでない部分との差が
ハッキリとつけられて
作曲されています。
そうでないと、
音楽の内容としても飽きてしまうので
自然にそういった楽曲が多くなるのです。
つまり、
一曲の中で「力配分として楽をできる場所」はあるのです。
これを意識した上で演奏するのと
意識せずに演奏するのとでは
力配分に大きな差が出てきます。
(「緊張感までなくなって良い」という意味ではありません。
力配分のコントロールの話です。)
脱力の問題などを攻略しない限り
これだけの改善では
なかなか効果が現れないかもしれません。
しかし、
第一歩としては
必ず踏まえておくべき基本となります。
さらに、
「弾き始める”前”に楽曲全体の力配分を見通しておくクセをつける」
ということは、
にも直結しますので
少し飛躍しますが
関連事項としてここで補足をしておきます。
余裕のある方はご覧ください。
(以下、以前にもご覧に入れた内容です。)
「1番のヤマのつくりかた」に気をつけないと、
ヤマがいくつもできてしまいます。
例えば、「トロンボーン」という楽器は、
ppp から fff まで幅広いダイナミクス(強弱)のコントロールが可能です。
思いきり吹けば、
オーケストラの他の全員が
「トゥッティ(全奏者での合奏)」で演奏していたとしても
それらを圧倒してしまいます。
それに対して、
「オーボエ」という楽器は、
ダイナミクスという観点ではそこまで幅を持っていません。
楽器の特性として、
f と書かれていても fff と書かれていても
それほど差をつけられないのです。
それでは、「ピアノ」の場合はどうでしょうか。
ピアノは「オーケストラ」と言われるほど多彩な楽器ですが、
よく考えてみると、
強弱をコントロールできる幅は限られています。
「一度にたくさんの音を出すことができる」
という点では強弱もカバーできますが、
例えば「1つの音(単音)」で表現できるダイナミクスの幅は、
トロンボーンの単音のように広くはありません。
それに、力強く10本の指で和音を弾いたとしても、
オーケストラの他の全員がトゥッティで演奏している音量に対抗はできません。
ピアノ協奏曲でピアノがよく聴こえるのは、
「聴こえるように注意深くオーケストレーションされているから」
というわけなのです。
それに、
主役をたてるためにリハーサルで細かなダイナミクス調整をしています。
ここまでの例で何を言いたかったかというと、
ピアノを演奏する場合、
「クライマックスのつくりかた」
つまり
「1番のヤマのつくりかた」に
思っている以上に気をつけないと、
「あっという間にダイナミクスの天井に行き着いてしまう」
ということです。
新しい楽曲に取り組むときには、
その楽曲の中で
「一番鳴らす箇所」
両脇であるこれらの対照的な2つの幅を決定してみると、
他とのダイナミクスバランスがとりやすくなる上に
方向性がはっきりした音楽になります。
そして、ff などを見ても
それが何回も出てくる場合は
すぐにマックスにならないこと。
レベルに関係なく誰にでもできますよね。
これらを意識しておけば、
一番聴かせたいクライマックスを
活かすことができるでしょう。
「通し練習の最中に腕がパンパンになってしまう方へ」
という内容から飛躍してしまいましたが、
関連事項として、
今回の内容をセットで踏まえておけるとベターです。
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