ピアノ譜面を読んでいると、時々戸惑う記号に出会うことがあります。
今回は、「ひとつの音符の上に書かれた < > 」という記号について解説します。
今回は、「ひとつの音符の上に書かれた < > 」という記号について解説します。
► この記号、どう演奏すればいい?
譜例(Finaleで作成)
ブラームスの「16のワルツ 第15番 Op.39-15 変イ長調」などでよく見かけるこの記号。
一見、クレッシェンドやデクレッシェンドの指示のように見えますが、実はそうではありません。
► なぜ、ピアノでは音量の増減が難しいのか
ピアノは打弦楽器であり、一度音を出すと自然に減衰していく特徴があります。
弦楽器のように、一音の中で音量を自由に変化させることはできません。
► 作曲家たちの意図
「印象的な、”動く音” にして欲しいときに使う」と話す作曲家もいますが、
この記号には、主に以下のような意図が込められています:
1. 「丁寧に音を出してほしい」という願い
2. 「印象的な音として際立たせてほしい」という表現指示
3. 特別な音色への要求
つまり、この記号は単なる音量記号ではなく、音色や表現の質を指示する記号として理解するのが適切です。
► 実践的なアプローチ
演奏する際は、その音に特別な注意を払い、丁寧に音を出すようにしましょう。
音色の変化や表現の幅を意識することで、作曲家の意図により近づくことができます。
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