同曲で複数のピアニストによる音源を参考にする場合のポイントは、
他の大多数と明らかに異なる解釈をしている部分を見つけて
なぜそのような弾き方をするのか考える、
ということ。
具体例をひとつ挙げます。
モーツァルト「ピアノソナタ ニ長調 K.311 (284c) 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾)
曲尾の最後の1小節では
テンポをゆるめるピアニストがほとんどですが、
カール・エンゲルをはじめ何人かのピアニストは
最後の2小節を
まるまる meno mosso にして
テンポ全体をおとしている。
提示部とその繰り返し、展開部に出てくるものも含めると
この「オチの付け方」は4回も聴くことになります。
それぞれテンポは少しゆるめるのが通常ですが、
最後の4回目だけは2小節まるまる meno mosso にすることで
締めくくりとして
他の3回との差を出すことができます。
これはあくまでも解釈のひとつにすぎないわけですが、
さまざまなピアニストの演奏を聴いていて
他のピアニストと異なるやり方をしている部分に目をつけたことで
発見できたわけです。
このような視点で
複数のピアニストの演奏を聴いてみましょう。
何かしらの発見があるはずなので。
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