「後踏みペダル」
よく聞くワードですが、
「何のために必要で、 また、実際にどうやって演奏に取り入れていいかわからない」
という方もいらっしゃるかも知れません。
次の図例をご覧ください。
特にフォルテ以上のダイナミクスのときに顕著なのですが、
打鍵の直後には一瞬だけ「破裂音」といいますか、
「ボワ」という音響がします。
打鍵したときのハンマーが当たった瞬間に立つ音響のことですね。
(電子ピアノでは、再現されていない機種もあります。
「叩いても汚い音になりにくい」と言われるのはこのためです。)
そして音響をよく聴くと、
図例のように、
「ボワ」の後に「ウ〜〜〜」という
通常の伸びている音である柔らかい音が続きます。
感の良い方はもうお分かりですね。
「後踏みペダルは、このボワという破裂音を拾わないようにするためのもの」
ということになります。
「ボワ」を拾わず、「ウ〜〜〜」という音だけを拾ってあげることで
クリーンな音響になります。
同時に、
直前の音響の残りまでペダルに入ってしまう可能性を
減らすことができます。
一方、ショパン「バラード第1番」の曲頭など、
「フォルテで始まる楽曲などでしっかり響かせたい時」
などでは、
すべての音響をペダルで拾ってあげることも有効。
譜例ではたった1音だけですので話はシンプルなのですが、
実際の楽曲では他の音も入ってくるので
ペダリングには工夫が必要です。
こういった部分も含めて「演奏解釈」と言えるでしょう。
「基本は後踏みペダル、それで不都合な箇所はピンポイントで考慮する」
このようにしていくと
スムーズに学習を進めていけるはずです。
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