具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
モーツァルト「ピアノソナタ 変ホ長調 K.282 第2楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、40-44小節)
カギマークで示した部分を見てください。
定番的な対比表現として
ダイナミクスでの対比がとられています。
p と f を明確に弾き分けていくと
それだけで対比表現となるのですが、
ここではダイナミクス以外の対比も含まれています。
注意深く目を向けなくてはいけません。
p の部分では、
メロディにスタッカート混じりのニュアンスがとられており
音の方向としては
左手と右手が閉じていきます。
それに対して f の部分では、
メロディにスタッカートはなく
音の方向としては
左手と右手が開いていきます。
このような対比を読み取れたら、
ただ単にダイナミクスやアーティキュレーションを弾き分けるだけでなく
p の部分では「軽さ」を重視し
f の部分では「ウタ」を重視したらどうかと
考えることもできますね。
対比表現というのは
ダイナミクスによるものがもっとも分かりやすく、
かつ、使われる頻度も多い。
しかし、
という記事でも一覧にしたように
その表現の仕方は
ほんとうに多岐にわたりますし
上記の譜例のように
複数の対比表現が同居しているケースもあります。
その辺りを細かく読み取って
どのようなニュアンスで演奏するのが適切かを
考えるようにしましょう。
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