筆者自身、
ピアノを弾くことが楽しくなったタイミングは
いくつかあるのですが、
そのうちのひとつは
細かな表現を意識しはじめたタイミングです。
昔、習っていた先生に
フレーズのつくり方や
全体の構成の表現方法をはじめ
ありとあらゆることを教えてもらいました。
それまでは、
身体の使い方や音の出し方をはじめ
どのようにデュナーミクやアゴーギクを表現して、
などといったことは考えずに(気に留めることもなしに)
とにかく適当に楽しんで弾いていました。
それで「弾けている」と思っていたんです。
あらゆる表現方法を教わったとたんに
意識すべきことが一気に増えたため、
それまでは
「OK、次」
となっていたところで
自分にOKを出せなくなりました。
フレーズをおさめようとすると
音が鳴らずにすっぽ抜けたり、
重心へ向けて深い音を出そうとすると
特定の音だけ唐突に大きくなってしまったり。
正直、表現方法を知ったことで
新しい大変さもたくさん知ってしまったわけです。
一方、
それでもていねいに練習をして
「頭での理解内容」と「実際に音にするテクニック」が結びついて
細かな表現を音へできるようになったとき、
新しい大変さよりもずっと大きな
新しい楽しさを知ることができました。
これは、
「どの段階まで上達しても、その先が待っている」
ということでもあります。
上達した段階から
さらに新たな表現方法を学び続けなければいけません。
この記事を通して言いたいのは、
「自分は趣味だから、という言い訳をせずに音楽の細かな表現を追求してほしい」
ということ。
そこには、
「楽しんでやれればいい」
と今思っている(であろう)その楽しさよりも
もっと大きな楽しさが待っているからです。
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