■メトロノームのオススメ使用方法 5選
♬ オススメ使用方法① 〜リズム重視のところで〜
「裏打ちのリズム」が伴奏に採られていたりと、
明らかにリズムを重視しているところでは
使用して練習してみるメリットがあります。
ポイントは、
「クセがつく前、つまり、譜読みの早い段階の練習で一度おこなっておく」
ということ。
具体的な例は、
という記事を参考にしてください。
♬ オススメ使用方法② 〜音価が変わる伴奏で〜
実例を挙げます。
ショパン「ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58 第4楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、3箇所抜粋)
楽曲が進むにつれて
「左手の伴奏の音価」がどんどんと変わっていきます。
このように「伴奏の細かさがどんどん変わっていく楽曲」では、
メトロノームを使用してみる時期があってもいいでしょう。
「ショパンでメトロノーム!?」
などと思わないでください。
ここで言っているのは、
伴奏の音価が変わってもテンポをキープできる感覚を知ったうえで
最終的には機械的な演奏を離れるための準備練習のことです。
伴奏の音価が細かくなると
途端にテンポが遅くなってしまったりするケースが多いので、
いったんリズムを整理するためにメトロノームを活用する。
最終的にはこれを
「体内のカウント」でおこなえるところを目指します。
♬ オススメ使用方法③ 〜ゆったりの曲想で拍を割る〜
指揮のテクニックとして
「緩徐楽章のような “ゆったりの曲想” では各拍を2回振る」
というものがあります。
「拍を割る」ということですね。
このやり方をメトロノーム練習に応用してみるのもいいでしょう。
だいたい「♩= 60 」が
割るか割らないかの分かれ目。
それ以下のテンポでは
拍を割って分けないと練習しにくいですし、
演奏的にも苦しく聴こえます。
「♩= を、♪= で計算するとしたら…」
と考えて、そのテンポをメトロノームで鳴らしてみましょう。
♬ オススメ使用方法④ 〜決まった数字をひと単位に〜
この項目は特にオススメ。
もちろん、筆者自身も取り入れている方法です。
テンポを上げていく練習のときに、
「4」や「5」など、決まった数字をひと単位として上げていきます。
こうすることによって、
「ちょっと速いな」という段階に達した時に、
「先ほどあげたぶんだけ元に戻す」
といったことが可能になり、
適当に上げ下げするよりもずっと練習を管理しやすくなります。
また、テンポを上げていくという練習段階では、
「記録がとれる」ということも重要ですので、
決まった数字をひと単位として上げていく方法をとることに
大きな意味があります。
♬ オススメ使用方法⑤ 〜音源がない曲のテンポを調べる〜
「あまり知られていない楽曲」や「新曲」に取り組む際は、
探しても演奏音源が手に入らないこともあります。
その場合は、
メトロノーム記号の数字を参考に
カチカチと鳴らして
おおよそのテンポを調べ上げましょう。
テンポというのは
音楽的なあらゆる解釈を決めていくうえで
大きな指標になります。
したがって、
譜読みの段階で仕上がりのテンポをおおよそ予測できていることが
学習を大きく助けてくれます。
メトロノーム記号の数字というのは
ときどき不自然に速すぎる速度で書かれていたりするものもありますが、
そういう楽曲ばかりではありません。
原則として
数字が書かれている作品は
とりあえずその速さをチェックしてみましょう。
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