記事の信頼性
筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、
修士号(音楽)を取得しています。
また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。
私自身、メトロノームでの練習には賛否両論で
必ずしも推奨しているわけではありませんが、
使い方さえ工夫すれば
効果的に取り入れられるケースもあると考えています。
今回は、メトロノームのオススメ使用方法を3つご紹介します。
■【基礎練習】メトロノームのオススメ使用方法
♬ メトロノームのオススメ使用方法① 〜リズム重視のところで〜
「裏打ちのリズム」が伴奏に採られていたりと、
明らかにリズムを重視している箇所では
使用して練習してみるメリットがあります。
ポイントは、
「クセがつく前、つまり、譜読みの早い段階の練習で一度おこなっておく」
ということです。
♬ メトロノームのオススメ使用方法② 〜音価が変わる伴奏で〜
一つ例を挙げます。
ショパン「ピアノソナタ第3番 第4楽章 より 3箇所抜粋」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成)
楽曲が進むにつれて
「左手の伴奏の音価」がどんどんと変わっていきます。
このように「伴奏の細かさがどんどん変わっていく楽曲」では、
メトロノームを使用してみる時期があってもいいでしょう。
「ショパンでメトロノーム!?」
などと思わないでください。
ここで言っているのは、
伴奏の音価が変わってもテンポをキープできる感覚を知った上で
最終的には機械的な演奏を離れるための準備練習のことです。
伴奏の音価が細かくなると
途端にテンポが遅くなってしまったりするケースが多いので、
「いったんリズムを整理するためにメトロノームを活用する」
ということです。
最終的にはこれを
「体内のカウント」でおこなえるところを目指します。
♬ メトロノームのオススメ使用方法③ 〜決まった数字をひと単位に〜
この項目は特にオススメです。
私自身も取り入れている方法です。
テンポを上げていく練習の際に、
「4」や「5」など、決まった数字をひと単位として上げていくのです。
こうすることによって、
「ちょっと速いな」という段階に達した時に、
「先ほどあげた分だけ元に戻す」
といったことが可能になり、
適当に上げ下げするよりもずっと練習を管理しやすくなります。
また、テンポを上げていくという練習段階では、
「記録がとれる」ということも重要ですので、
決まった数字をひと単位として上げていく方法をとることに
大きな意味があります。
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