【ピアノ】譜読みでは「微妙な違い」に敏感になろう

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「似ているけど、ちょっと異なる音型」
そういった些細な部分に
作曲家のこだわりが隠されています。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ラヴェル「高雅で感傷的なワルツ 第8ワルツ」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、45-49小節

カラーで示したように、

たった5小節間だけでも

「4種類」「似ているけれど、ちょっと異なる音型」

が出てきます。

◉45小節は、「下」から「オクターヴ」で「上がる」「アルペッジョ」
◉46小節は、「上」から「オクターヴ」で「下がる」「16分音符」
◉47小節は、「上」から「オクターヴ」で「下がる」「装飾音混じり」
◉49小節は、「上」から「2オクターヴ」で「下がる」「装飾音混じり」

 

これらのすべてにおいて、

役割的には「装飾的な脇役」で

「オクターヴの響き」を軸とし

音程は「H音」のみ。

 

しかし、

ラヴェルはわざわざ書き分けたのです。

解釈の正解はありませんが、

それぞれのニュアンスの違いを

自分なりにでも考えて

弾き分けないといけません。

 

例えば視点はどうなるかというと、

◉なぜ、45小節と47小節だけ「気分タイ」がついているんだろう?
 そうなると、46小節と49小節は「乾いた響き」にすべきかな?
◉46小節と47小節は、共に上からオクターヴで下がるから、
「音域の差」以外にも
「音価の差」をはっきり弾き分けないといけないだろうな
◉「ひっかける音」と「着地する音」のうち、
 4パターンそれぞれ、どの音に重みが入ると音楽的かな?
◉4パターンそれぞれ、音域も少しずつ違うから
「軽さ」を変えてみたほうがいいかな?

など、

作曲家が書き分けた「ちょっとした違い」を無駄にしないように

ていねいに読んでいく。

こういったことも含めて「譜読み」なのです。

 

繰り返しますが、

いずれも「装飾的な脇役」なので

目立たないようにさりげなく弾くべきです。

しかし、

それ以外の解釈については

演奏者のセンスに任されています。

解釈は任意でも、

「ちょっとした違いをきちんと弾き分ける」

これは任意でなく必須。

 

「”良い” 譜読み」

が出来るかどうかで

仕上がりがまったく変わってきます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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