【ピアノ】各声部の主従関係を入れ替えるところの見極め方

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どの声部を主役にするのかは
常に考えなくてはいけません。
そして、この判断には
楽曲分析ができているかどうかが問われます。

 

具体例を見てみましょう。

楽曲が変わっても考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.570 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、78-82小節)

78小節目に書き込んだ矢印Aを見てください。

ここからは下段が主役になります。

ダイナミクス記号でそう書かれているわけではありませんが、

45小節目から始まったメロディからきている同音連打であり

なおかつ、旋律的なので

主役だと分かるわけです。

 

つまり、ここからは

◉ 下段のメロディをやや太めの音で
◉ 上段の対旋律的な動きはやや控えめで

このように弾いていくことになります。

 

(再掲)

では、この主従関係を

どのタイミングで戻せばいいのでしょうか。

矢印Bから戻すのが適切でしょう。

ここからは上段と下段の存在感を

同じくらいにしてください。

 

81小節1拍目のオモテは

前のフレーズの終わりの音であり、

ウラの矢印Bのところから

次のフレーズになっています。

しかも、

上段に主役であろう上行旋律がきているのが

見てとれますね。

したがって、

ここから主従関係を戻すのが適切だと考えられます。

 

間違っても

1拍目オモテから戻さないように注意してください。

こういったところに

楽曲分析の結果と演奏結果の結びつきが現れます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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