【ピアノ】作曲家が書き残したものを作品から運び去らない

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今回の投稿では、
ネイガウスの重要な言葉を出しながら
楽譜をていねいに読むことの重要性について
解説しています。

 

【ピアノ】「自分の解釈を」という言葉に悩まされないコツ

という投稿でも出したように、

迷ったらムリヤリ解釈をつけようとしなくても構いません。

それよりもまずは、

楽譜に書かれていることを細部まで素直に読み取って

素直に表現することをやってみるべきです。

 

そもそも、作曲家の残したことを理解せずに

その楽曲の解釈なんてものは成立しません。

 

「ピアノ演奏芸術―ある教育者の手記 ゲンリッヒ・ネイガウス 著/森松皓子 訳(音楽之友社)」

という書籍に、以下のような文章があります。

(以下、抜粋)
ある非常に自己中心的な演奏家について、
いつだったか誰かが私にこう言いました。
「彼は自分のものをたくさん作品に持ち込んでいる」
「そのとおりだ。そのうえで彼は、作曲家自身が持ち込んだものをたくさん作品から運び去っている」
と私は答えました。
(抜粋終わり)

 

この「運び去っている」という部分に気を付けて

譜読みをすることが重要です。

さほど悪気はなくても

相当注意していないと

楽譜に書かれていることを

見落としたり、忘れたり、軽視したりしてしまう。

 

意識して、そういった部分をできる限り減らしていきましょう。

そうすることで

仮に自分の考えていることを反映したい場合にも

作曲家の書いたそれが

良い土台になってくれて

ひとりよがりの演奏ではなくなります。

 

よく、

「楽譜通りに弾いても良い音楽にはならない」

と言われます。

半分はそうとも言えますが、

もう半分は、だいたいソルフェージュの話なんですよ。

小節線で囲われていたらアゴーギクが表現できないとか、

すべての音符に表情があるのに、すべての音符にダイナミクスが書かれているわけではないとか、

このようなこと。

 

そうではなくて、

今回言っているのは、

◉ 作曲家が明らかに音楽のエネルギーを前へ進めているところなのに、遅くしてしまわない
◉ 細かな動きで明るい情景を表現しているであろうところで、音色を暗くしない

などをはじめとした、もっと視野を広げた話です。

 

◉ ピアノ演奏芸術―ある教育者の手記 ゲンリッヒ・ネイガウス 著/森松皓子 訳(音楽之友社)

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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