さまざまな手段がありますが、
どうやったらいいかわからないときの
ファーストアクションとしては、
「オクターブのバランスを変える」
というやり方がいいでしょう。
具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
シューマン「謝肉祭 18.プロムナード」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
譜例のような
オクターブでメロディを弾いていくときに、
上のラインを強調する場合と
下のラインを強調する場合とでは
色彩が大きく変わります。
mf と書いてあるからといって
必ずしも両方のラインを
mf で弾かないといけないわけではありません。
全体として mf 程度で聴こえてくれば
その中でのバランスは
奏者の判断に任されています。
このバランスについては
作曲家が細かく指定していないケースがほとんどなので、
色彩をどうつくるかで
奏者の個性が出てくるわけですね。
ちなみに、
筆者が気に入っていて
ときどき取り入れる書法として、
3オクターブ上でそのメロディを pp でなぞる
というものがあります。
左手でメロディとバスとハーモニーなど
あらゆる要素を担当するうえに
右手も使うので
やや演奏は難しいのですが、
メロディに対して
かすかに高音のエコーがついたような
色彩的なサウンドが得られます。
【A面】アレンジ Ver.「愛のテーマ Song of Heroes Version」
という作品の編曲で取り入れましたので
是非聴いていただきたいと思います。
今回は、
色彩の変え方がわからないときのファーストアクションとして
「オクターブのバランスを変える」
という方法を取り上げました。
オクターブだけでなく
その他の和音においても
「同時に発音される音のうち、どの音をどれくらい聴かせるか」
といったバランスを工夫することで
色彩のコントロールができます。
譜読みのときに
「バランス配分」という観点も
忘れないようにしましょう。
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