具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、102-104小節)
ここでは「ppp によるグリッサンド」が出てきます。
グリッサンドの運指を決めるときには
以下の3点を考慮しましょう。
◉ 着地音をどの指で弾くかを考える
◉ 複数の運指案を並べて、すべて試してみる
一般的に、
弱奏グリッサンドの場合は
束ねずに一本の指でおこなったほうが
繊細なニュアンスを作りやすい。
もちろん「指の裏の爪」で滑らせます。
また、
譜例のところでは
低音で左手を使っているので
着地音は右手のどれかの指で取らなければいけません。
着地音をもう一方の手で拾えれば
難易度はグンと下がるのですが、
ここでその方法は使えませんね。
(再掲)
これらの条件から考えると、
譜例のところでは
以下A~Dのどれかの運指を使うことになるでしょう。
B. 2の指で滑らせて、3の指で着地する
C. 3の指で滑らせて、2の指で着地する
D. 3の指で滑らせて、3の指で着地する
ここで強調したいのは
「いくつかの運指案をすべて試すべき」
ということです。
グリッサンドにおける運指というのは
とうぜん楽曲の前後関係などに強く影響されますし、
なによりも
「運指のやりやすさやりにくさに個人差が出やすいテクニック」
と言われているからです。
そのため、
とうぜんのことではありますが
唯一の正解を示すことは出来ません。
譜例のところでは
筆者の場合、
「3の指で滑らせて、2の指で着地する」
というやり方が
いちばん安定するように感じます。
弱奏グリッサンドの場合は
強奏の場合よりもむしろ多くの問題点を含んでいる。
グリッサンドと着地音の間に
変な「間(ま)」ができてしまうと
非常に目立ってしまいます。
強奏の場合は
強調のためにわざと「間(ま)」を空けることもあるくらいなので
気になりにくいのですが…。
また、
弱奏では勢いにまかせることができないので
1音1音の表情をより重視しなければいけません。
だからこそ、
自身に最適な運指を見つけるべきなのです。
その際に
上記の3つの運指決定ポイントを
必ず踏まえておきましょう。
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