【ピアノ】書かれている運指の意図を考えるのは、良い学習方法

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楽譜に書かれている運指の中には
「素通りして良い運指」と
「素通りすべきでない運指」があります。
「素通りすべきでない運指」は優れた教材となるのです。
記事の中で詳しく解説します。

 

「運指に強くなったことが、ブレイクスルーのきっかけになった」

このように話すピアニストは意外に多い印象です。

これまでにも

運指についてはいくつもの記事をあげてきましたが、

今回お伝えしたいのは、

「書かれている運指の意図を考えるのは、良い学習方法」

ということ。

 

楽譜にもよりますが

要所に運指が書かれていることは多いですよね。

しかし、中には疑問を感じる運指が書かれていることもあるでしょう。

そんなときに、

「とりあえず、すべて従ってみよう」
「弾きにくいから変えてしまおう」

などと、あっさり処理してしまうのではなく、

一度でいいので

「なぜ、このような運指が書かれているのだろう」

と考えてみてください。

少しでも疑問が出てくる運指というのは

「素通りすべきでない運指」です。

 

例えば、以下のような例。

シューマン「アレグロ Op.8」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、36小節目)

36小節目の右手には

一部を除いた多くの版で

譜例のような運指が書かれています。

「3 – 4」の替え指が連続していますよね。

初めてこの作品に取り組んだときには

「なぜわざわざ、より複雑で失敗の確率も上がる運指を使わないといけないのだろう?」

などと疑問に思ったものです。

隣りあった指で弾いていくだけのほうが

テクニック的にもずっと容易です。

しかし、ここでは

「シンコペーションであり、なおかつアクセントがついている」

ということで

一音一音がはっきりと欲しい箇所だということを考えると、

「強い3の指で打鍵することで、芯のある音色が欲しいのだろう」

などと、運指の意図が見えてきます。

 

こういった感じで

運指の意図を考えることを積み重ねることで

「こういうときには、こういう運指を使うのもアリだな」

という自身の引き出しが増えていきます。

「自分ではあまり使わないような先人がつけた運指」

を研究することで

ひとりでは気付かないようなことも発見できるのです。

 

ちなみに、

ヘンレ版の「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集」などでは

作曲家自身がつけた運指を「斜体」、

それ意外の運指は「標準」、

というように区別して書かれています。

運指というのは

表現やテクニックと密接な関係にありますので、

作曲家自身による運指を調べることで、

表現を読み取るヒントになりますし、

作曲家自身のピアノテクニックも学べます。

 

いずれにしても、

せっかく楽譜に「素通りすべきでない運指」という

優れた教材” がちりばめられているのですから、

活用しない手はありません。

 

「書かれている運指の意図を考える」

現在練習している作品から

どんどん取り入れてみましょう。

 


 

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