(譜例)
実際の楽譜には
左の譜例のように書かれていた場合、
3拍目でハーモニーが変わるので
ペダルも踏み替えますよね。
しかし、
踏み替えると
低音のC音の響きが消えてしまうので
音響がやや希薄になってしまう。
ハーモニーも第2転回形のような響きになります。
そういった懸念点を解決するのが
右の譜例のような解釈です。
バス音をフィンガーペダルで残しておくと
ペダルを踏み替えてもバスの響きが残るので
音響が希薄にならずに済む。
(再掲)
こういったやり方は
作曲家の意図を無視しているわけではなく、
必要であれば
演奏者の判断で取り入れてもよい範囲内の解釈。
というのも、
楽譜では
利便性を考えると
原則として煩雑さを避けたいので
あえて左側の譜例のように書くケースも多いからです。
ただし、
フィンガーペダルで残しておく方法を
取り入れるためには
前後関係も考えなくてはいけません。
(譜例2)
先ほどの1小節の後、
譜例2のような音楽が続いている場合はどうでしょうか。
次の小節の頭でバスがFis音に入るので
バスC音をフィンガーペダルで残しておかずに
ペダルを踏み替えてしまう。
多少音響が希薄になっても仕方ないとする。
第2転回形のように聴こえてしまってもいいとする。
そうすると、
青色ラインで示したように
バス同士のつながりは自然にFis音へと入っていけます。
前後関係も考えるべきだと言った意味を
お分かりいただけたでしょうか。
結局は「何を優先させるか判断して決める」ということ。
唯一の正解はありません。
まとめます。
◉ その際の「音響の厚さ」「ハーモニーの聴こえ方」などはフィンガーペダルである程度コントロール可能
◉ 前後関係でフィンガーペダルを用いないほうが自然の場合もあるので、何を優先させるかをよく考える
このテクニック、とても重要なので
ぜひ覚えておいてください。
【ピアノ】ペダリング箇所の決定方法
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