具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ショパン「ノクターン(夜想曲)第8番 変ニ長調 作品27-2」
譜例(PD作品、Finaleで作成、15小節)
譜例後半のように、
和音連打で一声部が同音連打になっていることは
よくありますよね。
こういった場合に演奏で気をつけるべきことは
「動くほうの声部で、横のラインを意識する」
ということ。
当たり前のことにように感じるかもしれませんが、
ひとつひとつの和音が縦割りになってしまっている演奏が非常に多い。
どうしてそうなってしまうのか想像つくでしょうか。
同音連打があるということは
ピアノ演奏においては
「その一度鍵盤を上げてから、もう一度打鍵する」
という奏法を使うことになります。
つられて同音連打ではないほうの声部も
横の流れのラインが希薄になってしまうのです。
(再掲)
もう少し深く考えてみましょう。
こういった場面における同音連打というのは
いってみれば「持続音」。
ほんらいであれば
長い音価で伸ばしていてもいいのですが、
減衰楽器であるピアノという楽器の特徴も踏まえると
同音連打で持続させるというわけです。
言うまでもありませんが、
同音連打のほうの声部は主役ではありません。
(少なくとも、この譜例の箇所では。)
意識を、動く声部のほうへ傾けて歌っていく。
その中で、同音連打のほうの音にも触れる。
こういったイメージで
重視するほうの声部を意識すると
音楽的なサウンドが得られるでしょう。
譜例2のような練習もおこなってください。
(譜例2)
必ず、
「原曲を実際に演奏するときの運指」
を使って練習すること。
同音連打の声部を伸ばしたままにしておくのは、
手の広げ方を変えてしまっては
声部別練習の意味がないので
「原曲を実際に演奏するときの手の開き具合」
を保ったままで
動く声部を練習するためです。
【ピアノ】和音連続によるメロディ:演奏ポイント
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