【ピアノ】なぜ、J.S.バッハの付点は3連符に合わせるのか

スポンサーリンク
本記事では、
演奏方法に迷いやすい記譜として
【ピアノ】付点のリズムを楽譜通りに弾くべきか否か
という記事の補足をしています。
本記事単独でもお読みいただけます。

 

なぜ、J.S.バッハの付点は3連符に合わせるのでしょうか。

 

J.S.バッハ「パルティータ第1番 クーラント」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

点線で示した箇所を見てください。

左手は16分音符で書かれていますが、

これはJ.S.バッハ(およびその時代)の特徴的な記譜法で、

実際は右手の3連符の3つ目の音と合わせて打鍵します。

16分音符のリズムに右手を合わせるのではなく、

3連符のリズムに左手を合わせます。

 

つまりこのケースでは

「付点リズムが前寄りに詰まる」

ということ。

 

ではなぜ、

こういった慣例が存在するのでしょうか。

ポイントは

「当時、どういった記譜が存在して、反対に、どういった記譜が存在しなかったのか」

これを知ることにあります。

 

(譜例)

J.S.バッハの他の作品を調べてみると分かりますが、

当時、①の記譜はありませんでした。

そこで①の代わりに②のように書きました。

ところが③の記譜はあったんです。

このような理由で、

②が単独で出てきたときは
そのまま付点で演奏し、
②が③とセットで出てきたときは
①=②と解釈して③のリズムに合わせる

という慣例がでてきたというわけです。

上記のクーラントの例で解説した演奏方法を

見返してみてください。

 

この時代からベートーヴェン辺りまでは特に

ダイナミクスの書かれ方や

本記事で扱った慣例などをはじめとして

独特な記譜の特徴がたくさんあります。

ロマン派の作品を演奏する解釈では

楽曲を充分に把握することはできません。

できる限り、

当時の慣例なども合わせて学習していきましょう。

 


 

Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV

X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg

 


 

無料トライアルで読み放題「Kindle Unlimited」

 

筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、

数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。

 

Kindle Unlimited 読み放題 無料トライアル

 

この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

タカノユウヤをフォローする
J.S.バッハ 付点 演奏方法に迷いやすい記譜 連符
スポンサーリンク
タカノユウヤをフォローする
大人のための独学用Webピアノ教室(ブログ版)

コメント

タイトルとURLをコピーしました