「鎖のつなぎ目」とでも言えるような、
「フレーズ終わり」であり「フレーズ始まり」でもある音は
多くでてきます。
例えば、次のような例。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、152-153小節)
星マークで示したところは
前のフレーズの終わりの音であると同時に
次のフレーズの始まりの音でもあります。
スラーから判断すると
前のフレーズの終わりの音と判断するのが良さそうですが、
カッコで示したように
小節頭から f で弾いているピアニストも多くいるので
迷わせられます。
ここで注意しないといけないのは、
楽曲分析の場合は
「どちらとも解釈できます」
という分析でいいのですが、
演奏の場合は
どちらにするか決めなくてはいけないということです。
(再掲)
ここでは、
22小節頭から f にするケース(フレーズ始まりとするケース)と
22小節1拍目の裏から f にするケース(フレーズ終わりとするケース)の
どちらでも成立します。
私の感覚としては、
この場合の22小節頭は
スラーが書かれている通り「フレーズ終わり」と解釈して
前からの静かな流れを踏襲するほうが
尻餅をついた感がなく、音楽的に感じます。
裏拍からでも
ポロネーズのリズムは成立しますし。
ここでのように
ダイナミクスが大きく変わる場合は特に
フレーズ終わりとフレーズ始まりのどちらの解釈でいくのか
慎重に決定しましょう。
音楽への影響が大きいからです。
ちなみに、
という記事でも紹介した校訂版において、
シュナーベルは
今回取り上げたタイプの解釈についての
さまざまな案を書き示しています。
彼は、いわば「鎖のつなぎ目」に
強い意識があったということですね。
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