【ピアノ】フレーズ終わりかつフレーズ始まりの音の処理

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フレーズ終わり」であり
「フレーズ始まり」でもある音は
多くでてきますが、
演奏をするにあたっては
どちらで解釈するかによって
音楽がまったく変わってきます。
詳しくは、本記事をご覧ください。

 

「鎖のつなぎ目」とでも言えるような、

フレーズ終わり」であり「フレーズ始まり」でもある音は

多くでてきます。

 

例えば、次のような例。

ショパン「ポロネーズ 第7番 幻想 Op.61 変イ長調」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、152-153小節)

星マークで示したところは

前のフレーズの終わりの音であると同時に

次のフレーズの始まりの音でもあります。

スラーから判断すると

前のフレーズの終わりの音と判断するのが良さそうですが、

カッコで示したように

小節頭から f で弾いているピアニストも多くいるので

迷わせられます。

 

ここで注意しないといけないのは、

楽曲分析の場合は

「どちらとも解釈できます」

という分析でいいのですが、

演奏の場合は

どちらにするか決めなくてはいけないということです。

 

(再掲)

ここでは、

22小節頭から f にするケース(フレーズ始まりとするケース)と

22小節1拍目の裏から f にするケース(フレーズ終わりとするケース)の

どちらでも成立します。

 

私の感覚としては、

この場合の22小節頭は

スラーが書かれている通り「フレーズ終わり」と解釈して

前からの静かな流れを踏襲するほうが

尻餅をついた感がなく、音楽的に感じます。

裏拍からでも

ポロネーズのリズムは成立しますし。

 

ここでのように

ダイナミクスが大きく変わる場合は特に

フレーズ終わりとフレーズ始まりのどちらの解釈でいくのか

慎重に決定しましょう。

音楽への影響が大きいからです。

 

ちなみに、

【ピアノ】シュナーベル版は、そばに置いておくべき有益資料

という記事でも紹介した校訂版において、

シュナーベルは

今回取り上げたタイプの解釈についての

さまざまな案を書き示しています。

彼は、いわば「鎖のつなぎ目」に

強い意識があったということですね。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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