【ピアノ】ショパンが用いた、弦楽器のポルタメントのような表現

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ショパンが用いた、
弦楽器のポルタメントのような表現について、
その例を知っておきましょう。

 

ポルタメントとは

(以下、広辞苑より抜粋)
演奏や歌唱において、ある音から次の音へ移る際、
跳躍させずに急速に滑らせるように音間を移行していく奏法・唱法
(抜粋終わり)

という意味で、

用語自体は耳にしたこともあるかと思います。

 

【補足】

上記抜粋の「跳躍させずに」という部分には
ざまざまな定義が存在し、
跳躍してから次の音へずり上げるだけの分類もあります。

ピアノにおける「ポルタメント(ポルタート)」という用語には
スタッカートにスラーがかかった表現のことを指す場合もあります。
ポルタメントとポルタートはほんらい別物ですが、
ピアノ分野の専門書では
かなり有名な書籍でも
ポルタメントとポルタートを同一視しているものがあります。
本記事ではそのポルタメント(ポルタート)については扱いません。

 

弦楽器のポルタメントのような表現を

ショパンがピアノ曲で用いている例を紹介します。

 

ショパン「ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、17-20小節)

18小節目と20小節目の小音符を見てください。

弦楽器のポルタメントの表現を模しているかのよう。

あるいは、声楽のポルタメントのような印象にもとれますね。

 

18小節目でいうと、

重要な音は大きな音符で書かれた2つの音、

出発元のEis音と着地先のA音です。

つまり、

これらの音が耳に聴こえたうえで

小音符はもっとさりげなく聴こえれば、

ポルタメントとしては

いちばんバランスの良いものとなります。

dolciss.と書かれていますが、

まさにうってつけの発想標語だと言えるでしょう。

 

いくつかの版では

くずれ落ちる小音符のところに

ソフトペダルを用いるように指示しています。

 

(再掲)

もうひとつ、表現のヒントを挙げます。

【ピアノ】弦楽器のポルタメントのような表現をピアノでつくる方法

という記事で、

レガート奏法を応用すると

ピアノでポルタメントのような印象を表現することができる、

と解説しました。

 

このやり方は、

上記、ショパンの譜例のような

ポルタメントの音自体が書かれている場面でも

応用することができます。

つまり、

18小節目であれば

出発元のEis音をフィンガーペダルで残したまま

小音符を演奏するんです。

 

とても美しい効果を出すことができますので、

解釈のひとつとしてお試しください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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