という記事で、
メリハリをつけるためにも
「遅いテンポの箇所で速くなりすぎないように」
ということを取り上げました。
これは、緩徐楽章の演奏にも言えることです。
ただ、その前提として、
「テンポが変わらない部分のテンポ設定」はどうすればいいのでしょうか。
まず知っておいていただきたいのが、バロック時代における原則です。
「第1楽章の4分音符の刻みを、そのテンポのまま8分音符にして緩徐楽章を演奏する」
このようにすると楽章間もテンポの関連づけができる。
「倍のテンポ」というのはバロック時代の原則。
これはもともと、
筆者が指揮者の先生から習ったものです。
のっとらずに演奏している録音もたくさんありますが、
まずはこのようなテンポの決定方法があるということは
知っておきましょう。
そして、古典派以降のあらゆる時代にも共通するのが、
「その楽曲の中でいちばん音価が細かいところを基準にテンポを決定する」
というやり方。
緩徐楽章はテンポがゆるやかな傾向はありますが、
だからこそ「64分音符」なども入ることがあり、
真っ黒な緩徐楽章の譜面も見たことがあるはずです。
そういった細かなところで
「音が入り切らずにテンポが遅くなってしまった」
という風には聴こえてしまわないようにしたいもの。
いちばん音価が細かいところを基準とし、
そのテンポを他の箇所にも使用します。
そうすると、
同じテンポの中で出てくる
あらゆる音楽表現を無理なく演奏できるテンポが見つかります。
もちろん、
テンポ自体がチェンジされて速くなる場合は
新たにテンポを設定する必要があることは
言うまでもありません。
この決め方は
緩徐楽章に限った話ではないのですが、
緩徐楽章というのはテンポの決定において問題が生じやすいために
ある一定のテンポの決め方を採用したほうが
ギクシャクした演奏にならずに済むのです。
関連記事として、
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