ダンパーペダルの使い方には
さまざまなものがありますが、
弾き直し、つまり同音連打をサポートするペダリングも
非常に重要になってきます。
例えば、以下のような例。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第4番 変ホ長調 op.7 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
左手にもたくさんの同音連打が出てきていますが、
今回話題とするのは
メロディに出てくるそれについて。
2小節目のメロディEs音を弾くときに
その音はすでに1小節目で打鍵されているので
同音連打になります。
一度鍵盤をある程度のところまで上げてこないと
再打鍵できませんね。
ピアノという楽器の構造上、仕方ありません。
しかし、音響のスキマが出来てしまっては困るので
譜例へ補足したように
ダンパーペダルでサポートする必要があります。
内声のB音までもが同音連打されるので、
やはりここではペダルが必須。
指でのつなぎのみでレガートへ肉薄することは
現実的ではありません。
このような、
「同音連打をサポートするペダリング」
という観点を踏まえながら
あらゆる部分の譜読みを進める必要があります。
ある意味、
「楽器の特性を補うペダリング」
とも言えますね。
もう一例見てみましょう。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、35-36小節)
ここでも、
メロディに出てくるDes音やB音は
直前に打鍵されているので
弾き直しをしなければいけません。
やはり、ペダルでサポートすべき。
a.のペダリングのように
スラー始まりの和音で踏み込み、
次の和音が出てきたらすぐに離すようにします。
b.のペダリングをよしたほうがいい理由は、
【ピアノ】「ペダリングでは濁っていなければいい」から卒業する方法
という記事をご覧ください。
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