以下の譜例を見てください。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、123-124小節)
譜例の右手パートを見ると
付点8分音符のトリルに加えて
ふたつの32分音符が付けられたリズムが出てきています。
しかし、
Allegro maestoso でそこそこテンポが速いので
左手の16分音符ですら結構な速さで動いており
そのよっつめの音にあわせて32分音符をふたつ入れて
しかも、その前でトリルする、
というのが難しいんですよ。
ゆっくりゆっくりのテンポで練習しているときには
楽譜通りのリズムでも弾けてしまうので
テンポを上げたときに初めて困ることになってしまう。
ピアニストの演奏を聴いていると
リズム通りに弾かず
5連符や6連符で弾いてしまっています。
リズム通り弾いているピアニストは
ひとりも知りません。
これはどういうことなのでしょうか。
(再掲)
トリルの終わりに書かれているふたつの32分音符は
あくまでも
「トリルの終わりにはこのふたつの音程の音符を弾いてね」
という意味であり、
ガイド的に書かれた32分音符ということ。
急速なテンポの場合、
ピッタリ32分音符のリズムで入れて欲しいというわけではないんです。
モーツァルトは
上記の作品に限らず
多くのピアノ曲でこのリズムを使用していますので
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