【ピアノ】ピアニストでも楽譜通りのリズムで弾かない付点リズム

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本記事では、
演奏方法に迷いやすい記譜として
「ピアニストでも楽譜通りのリズムで弾かない付点リズム」
について解説します。

 

以下の譜例を見てください。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第8番 K.310 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、123-124小節)

譜例の右手パートを見ると

付点8分音符のトリルに加えて

ふたつの32分音符が付けられたリズムが出てきています。

しかし、

Allegro maestoso でそこそこテンポが速いので

左手の16分音符ですら結構な速さで動いており

そのよっつめの音にあわせて32分音符をふたつ入れて

しかも、その前でトリルする、

というのが難しいんですよ。

 

ゆっくりゆっくりのテンポで練習しているときには

楽譜通りのリズムでも弾けてしまうので

テンポを上げたときに初めて困ることになってしまう。

 

ピアニストの演奏を聴いていると

リズム通りに弾かず

5連符や6連符で弾いてしまっています。

リズム通り弾いているピアニストは

ひとりも知りません。

これはどういうことなのでしょうか。

 

(再掲)

トリルの終わりに書かれているふたつの32分音符は

あくまでも

「トリルの終わりにはこのふたつの音程の音符を弾いてね」

という意味であり、

ガイド的に書かれた32分音符ということ。

急速なテンポの場合、

ピッタリ32分音符のリズムで入れて欲しいというわけではないんです。

 

モーツァルトは

上記の作品に限らず

多くのピアノ曲でこのリズムを使用していますので

本記事の内容を覚えておいてください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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