【歌曲のピアノ編曲版】「練習ポイント」「難易度別オススメ楽曲」

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本記事では、
「歌曲のピアノ編曲版」に挑戦する際の
「有益性」
「練習ポイント」
「難易度別:オススメ楽曲」
について解説しています。

 

記事の信頼性 


 

筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、

修士号(音楽)を取得しています。

また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。

 

 

ピアノという楽器は「減衰楽器」だからか、

原曲自体がピアノ曲の作品は

比較的にフレーズが短く作曲されている楽曲が多い傾向です。

したがって、

「歌曲のピアノ編曲版(後ほどオススメ楽曲をご覧に入れます。)」

にチャレンジしたことがない方は

シンプルなものでも1曲取り組んでみると

「フレージング」の面ですごく勉強になります。

 

■取り組む際のポイント

森を見て木も見よう

 

これは、どんな作品にも共通することではあるのですが、

「森を見て木も見る」

という視点が重要です。

例えば、4小節を一息で演奏するメロディがあったら、

「数音単位での細かいニュアンスは考えても、4小節を大きく1つでとるという視点を忘れない」

ということです。

自分の中で意識があるかどうかで出てくる音に大きな違いがあります。

 

「森(大きなフレーズ)」だけ見ていると

細部のバランスがとれずに荒削りになりますし、

「木(数音単位での細かいニュアンス)」だけ見ていると

フレーズが細切れになって音楽が流れません。

そこで、「森を見て木も見よう」ということなのです。

焦らなくて大丈夫です。

まずは「自分の中で意識を持てるかどうか」が大きいのです。

 

長く伸びる音に注意

 

これも、どんな作品にも共通することではあるのですが、

大きなフレーズで構成されていることが多い

「原曲が歌曲の作品」の場合は

特に注意が必要な内容です。

具体例として、

次の譜例(シューマン=リスト「献呈」より、4-6 小節目のメロディを抜き出したもの)

を見てください。

6小節目に「付点2分音符」という長い音価が出てきます。

ピアノは「減衰楽器」という特性上、

打鍵が終わってしまうと気を抜いてしまいがちですが、

長く伸びる音は打鍵後も耳で聴き続けなくてはいけません。(もちろん短い音価の音もですが…。)

そうすることで

次に出てくる音との音色のバランスをとることができて、

結果的にフレーズがつながって聴こえるのです。

 

打鍵が終わって意識を放り出してしまうと、

たとえダンパーペダルで音がつながっていたとしても

フレーズが途切れて聴こえてしまう可能性があります。

次の音との音色が別になってしまうと音楽的につながらないからです。

 

自分のレベルより少し易しい作品を選ぼう

 

今回の記事のテーマは、

「歌曲のピアノ編曲版」でフレージングの勉強をすることです。

そのためには、

弾くことで精一杯の楽曲よりも

「自分のレベルより少し易しい作品」

を選んで勉強した方が効率よくフレージングに集中できます。

ある程度弾ける方でも、

フレージングが細切れになってしまっている例は頻繁にみられるので、

この学習テーマは多くの方にとって有益であるはずです。

 

まずは、ここまでにあげた3つの項目を意識して取り組んでみましょう。

それ以外の注意点は

楽曲ごとに「別の顔」としてみていかなければいけません。

 

■【難易度別】「歌曲のピアノ編曲版」オススメ楽曲紹介

 

「献呈」シューマン=リスト

 

中級以上程度。全音ピアノピ-スの難易度表では「Fランク」。

一応Fランク(最高難度)に分類されてはいますが、少し大げさの感があります。

リストは歌曲のピアノ編曲をたくさんのこしていますが、ほとんどは難易度が高い編曲。

その中にあって、この編曲は比較的取り組みやすく、

なおかつ、

美しい旋律と華やかさもあわせもっているのでオススメです。

 

デジタルデータ(PDF)で手に入れたい方は、

「ぷりんと楽譜」にもあります。

» 献呈(R. シューマン(ピアノ編曲:F. リスト)) /ピアノ(ソロ) 

 

「からたちの花」山田耕筰

 

中級程度。全音ピアノピ-スの難易度表では「Cランク」。

「献呈」はまだちょっと…という方にはこの楽曲がオススメ。

日本の童謡で耳なじみのある楽曲ですので、

「歌曲(童謡)のピアノ編曲作品としての勉強」と同時に

「一風変わったレパートリー」にもいいでしょう。

 

 

「歌の翼にのせて」メンデルスゾーン

 

初中級程度。全音ピアノピ-スの難易度表では「Bランク」。

様々なピアノ編曲が出ている作品ですが、

この全音ピアノピース版の編曲は発表会でよく取り上げられる定番となっています。

難易度的にも取り組みやすいので、

「フレージングの勉強に集中して取り組みたい」

という中級者以上の方があえて余裕を持って取り組む意味もある作品です。

 

デジタルデータ(PDF)で手に入れたい方は、

「ぷりんと楽譜」にもあります。

» 歌の翼に(Felix Mendelssohn) /ピアノ(ソロ) 

 

大人のための欲張りピアノ [カッチーニ アヴェ・マリア] エリーゼのために程度の難易度で

 

こちらは私が編曲してAmazon kindleで販売している作品です。

ベートーヴェン「エリーゼのために」程度の難易度で挑戦できます。

「演奏解説」や「全ペダリング」も収録していますので

取り組んでいただきやすくなっています。

電子書籍という特性上、

タブレットなどの大きな画面でご覧いただくか、

ご自身での使用のみでしたら

スクリーンショットを撮ってプリントアウトするのもいいでしょう。

(もちろん無断配布はしないでくださいね。)

 


 

最後にワンポイントアドヴァイス。

7度、8度、9度などの跳躍は、

歌の人にとっては「時間」が必要です。

したがって、「歌曲のピアノ編曲版」に取り組む場合は、

それに沿ったニュアンスを考えてみるのもアリです。

この辺りは解釈にもよるので必ずではありませんが、参考までに。

 


 

Amazon著者ページ
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