【ピアノ】メロディックなラインを示すスタッカート

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スタッカートの解釈のうち、
それらのつけられた音全体がメロディになっている例を
解説します。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

シューマン「ピアノソナタ 第2番 ト短調 Op.22 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、94-97小節)

スタッカートにもさまざまな解釈が考えられます。

この譜例の場合、

かなりテンポが速く音価も細かいので

スタッカートと言っても

とばして弾くくらいの工夫しかできません。

 

そこですべきなのは

「メロディックなラインを示しているスタッカートではないか?」

と疑うこと。

 

この譜例では、

細かいパッセージの中にある

スタッカートの音だけを取り出すと

それら全体でメロディになっています。

たびたび見られる書法。

単に「その音を短く切る、切り離す」という意味では

しっくりこないときには

こういうことも疑ってみましょう。

 

(再掲)

「メロディとして強調するのであれば、なぜアクセントではないのか」

などと思うかもしれませんが、

ここでは、

曲想から推測して

「軽さが欲しかった」

という意味もあるのでしょう。

仮に、スタッカートの代わりに

アクセントが書かれていたとしたら

音楽の意味合いが

ずいぶんと変わってしまうように感じませんか。

 

それに、

少なくともこの譜例では sf も出てくるので

通常のアクセント記号も書かれていたら

音楽の意味が分かりにくくなってしまいます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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