【ピアノ】スラーとマルカートは反する表現

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本記事では、
演奏方法に迷いやすい記譜のうち、
「スラーとマルカートの同居」についてお伝えしています。

 

次の譜例を見てください。

この譜例は私が作成したものですが、

実際のピアノ曲を見てくると

このような「スラーとmarcatoが同居している記譜」が度々見られます。

 

素直に頭を働かせれば、

「レガートではっきり弾くのだろうな」

と分かるわけですが、

それって音楽表現からするとちょっと妙なのです。

作曲家の言いたいことは分かります。

しかし、

「スラーとマルカートは本来反する表現であり、同居は難しい」

ということは

それぞれの音楽用語を細かく調べてみると

すぐに理解できます。

また、それは管楽器の演奏法からも理解できます。

例えば、

フルートなどの管楽器は

スラーが書かれている場合、

「タンギングをせずに一息で演奏すること」

を意味します。

つまり、marcatoで演奏したくても

「ウウウウウ」というニュアンスになります。

タンギングをしないので当然ですよね。

一方、

スラーが書かれていない場合は、

「タンギングをして演奏すること」

を意味します。

つまり、marcatoであろうとなかろうと

「タタタタタ」というニュアンスになります。

テヌートで演奏すると「ターターターターター」

となります。

これらのことからも、

「スラーとマルカートは本来反する表現であり、同居は難しい」

ということが分かっていただけると思います。

管楽器とピアノでは

楽器としての発音方法が違うことは確かですが、

記譜の解釈の基礎は変わりません。

 

(再掲)

 

譜例のような表現が出てきたときは、

私のレッスンでは、

大きく2つの指導をしています。

【速いパッセージの場合】
「marcatoは書かれていないものと思い、
その代わりダイナミクスを1段階あげる」
【ゆっくりなパッセージの場合】
「スラーは書かれていないものと思い、
その代わり、一つ一つの音をテヌートでmarcato演奏する」

この2種を、

楽曲により判断して使い分けていきます。

作曲家の意図を無視しているわけではありません。

スラーとマルカートを同居させている書き方自体、

本当に力のある作曲家は使用しないものです。

そこで、

演奏にとって一番効果的で、且つ、

作曲家の意見が残るような演奏法に

翻訳する必要があるのです。

 


 

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