ショパンがときどき使う、
ある場面同士をつなぐスケールがあります。
例えば、以下のようなもの。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、29-31小節)
もう一例挙げておきましょう。
ショパン「ワルツ第5番 変イ長調 Op.42」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、237-246小節)
これらのようなスケールは
音楽的にすごく大きな意味があるわけではなく、
スケールによる一種の効果音(エフェクト)的なサウンドを
聴かせることと、
場面転換が意図されているのでしょう。
「はいよー、次!」
と言わんばかりの、経過的なつなぎですね。
メロディのように聴くこともできなくはありませんが、
基本的な役割としてはメロディではありません。
一方、同じショパンのスケールでも
以下のような例は
スケールそのものをメロディとして聴かせています。
ショパン「ワルツ 第2番 変イ短調 Op. 34-1(華麗なる円舞曲)」
譜例(PD作品、Finaleで作成、66-69小節)
場面転換とは関係ありませんね。
上記の2例との違いを感じてください。
本記事で言いたいのは、
ショパンの特徴的なスケール書法を理解すべき、
ということ。
加えて、
似たようなパッセージでも
さまざまな意味をもち得るので
その都度、何のために出てきているのかを考えるべき、
ということです。
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