【ピアノ】「同音連打による高速トレモロ」の練習ポイント

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本記事では、
「同音連打による高速トレモロ」
の練習ポイントについて解説しています。
非常に難しいテクニックのひとつです。
「ピアノという楽器の特性を踏まえて練習を考えていく」
これが、本記事でお伝えしたい大きなポイント。

 

■「同音連打による高速トレモロ」の練習ポイント

♬「同音連打による高速トレモロ」の難しさ

 

「同音連打」は、

ピアノという楽器が苦手とするテクニックのひとつ。

例えば、ヴァイオリンなどの弦楽器の場合は、

「弓を下げて上げる」という動作をするだけで2回も音が出ますので

弓を小刻みに動かすことで

「同音連打による高速トレモロ」も容易です。

 

一方、ピアノの場合は、

「打鍵して発音されてからハンマーが元の位置に戻り再打鍵をする」

これでやっと2回の音が出ます。

つまり、楽器のハンマーの構造上、同音連打を苦手としている楽器なのです。

そこで作曲家は、

「同音連打による高速トレモロ」

ではなく、

「オクターブを交互に演奏する高速トレモロ」

にしたりと

音を選ぶ際に工夫をしています。

 

一方、ある程度高度な楽曲だと、

「同音連打による高速トレモロ」も出てきます。

ラヴェル「鏡 より 道化師の朝の歌」
ラヴェル「夜のガスパール より スカルボ」
ショパン「ワルツ第2番の冒頭」

など。

他にも、たくさんの例があります。

 

♬ 練習ポイント① 鍵盤が上がりきらないうちに再打鍵

 

同音連打による高速トレモロを攻略するためには、

「鍵盤が完全に上がりきる前に再度打鍵する」

これがポイント。

 

こうすることで、

ピアノという楽器のアクション構造の弱点を

極限までカバーすることができます。

一方、はじめのうちは

鍵盤がほとんど上がっていないうちに再打鍵してしまって

音が出ない結果になったりします。

 

とはいえ、

特に高度な連打を攻略するには、

このことを踏まえて練習しないと

ある程度テンポを上げたときに必ず行き詰まります。

 

まずは、

「ゆっくりのテンポ」で

「鍵盤が完全に上がりきる前に再度打鍵する」

ということを意識した練習を

ていねいにおこなってみましょう。

 

♬ 練習ポイント② 鍵盤から指を上げすぎない

 

通常の速いパッセージにも言えることですが、

速く弾くには

「指を上げすぎないこと」

これが大事です。

 

その際に、

「指を高く上げなくても効率よく打鍵できる方法を、ゆっくり練習する」

ということからスタートしましょう。

 

楽曲の中で

「基礎的なテクニックの見直し」

を同時におこなっていくべき。

 

♬ 練習ポイント③ 「アシュケナージの方法」から考える

 

ずいぶん前になりますが、

アシュケナージが

ラヴェル「夜のガスパール より スカルボ」

を弾いている様子がテレビ放映されていました。

そこで、

「同音連打による高速トレモロ」

をどうやって弾いているのか観察してみたのです。

そうしたら、

ぜんぶ「親指」で演奏していました。

 

「同音連打の時には321321などと指を変える」

と習いませんでしたか?

これは良いテクニックなのですが、

「音色をそろえる」という観点からすると、

「指を変えずに打鍵する」

という方法をとったほうが有効なフレーズもあるのです。

 

「2の指」や「3の指」のみで同音連打するケースはよくあります。

ただ、

アシュケナージが全部「親指」でおこなっていたのには驚きました。

 

学習者によって

「運指による難易度の感じ方」

というのは違うものです。

したがって、

ある方にとってはやりにくい運指が、

別の方にとってはやりやすいこともあります。

「同音連打による高速トレモロ」の場合にも、

複数の運指を試してみてから

決定するようにするといいでしょう。

 


 

結論的には、

「正しい方法を踏まえたうえでゆっくり練習することから始めるしか攻略法はない」

ということ。

 

こう聞くと気が遠くなるかもしれませんが、

本記事で紹介した内容を踏まえて練習するのと、

そうでないのとでは、

仕上がりの良さが格段に変わってくるはずです。

 

本記事で書いてきたように、

「ピアノという楽器の特性を踏まえて、あらゆることを考える」

これが、

ピアノ上達に欠かせません。

 


 

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