【ピアノ】同音連打の表現における注意点

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本記事では、
「同音連打の表現」を音楽的に聴かせるためには
どういったことに気をつければいいのかを
解説しています。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第10番 K.330 第2楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

 

メロディラインを見ると、

C音が4連続「同音連打」していますね。

こういった箇所を音楽的に聴かせるポイントは、

「同じ音量、かつ同じ音質の音が2つ以上並ばないようにする」

ということ。

 

「コン!コン!」

というドアをノックする音を聞いて私たちが不快に思うのは、

まったく同じ音量、かつ、まったく同じ音質の音が

ふたつ以上並んでいるから

 

ここでは、1小節目(アウフタクトは1小節に数えていません。)の頭のC音

いちばん重みが入るように演奏するといいでしょう。

当たり前のことのようですが、

すべて同じように平坦に弾いてしまう例は意外に多いのです。

 

あるカタマリをみた時に

「どこにいちばん重みが入るのかな?」

と考えるクセをつけましょう。

 

決して、

「楽譜には松葉もアクセントも書かれていないのに」

などと思わないでください。

譜面というのはある程度の「利便性」を求める一面もあり、

「煩雑さ」を避けるために、

フレーズなどの関係で理解できる内容は

あえて書かれないことも多いのです。

もし、楽譜に書かれていないからといって

メロディの起伏をまったく平坦に演奏したり

フレーズ終わりでもおさめないで演奏したりすると

相当殺伐とした演奏になります。

そんな演奏をするピアニストは一人もいません。

 

つまり、

音楽記号だけが表現なのではなく、

「音符が書かれている」

ということは

「表現も書かれている」

ということ。 

こういったところを読み取っていけるようになると

譜読みの力がグンと伸びます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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