ラヴェル ピアノ作品入門:初心者にもおすすめの2つの小品
► はじめに
ラヴェルのピアノ作品に挑戦したいけども、どの作品から始めればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、技術的にも音楽的にも取り組みやすい2つの小品を紹介します。
► 入門におすすめの2作品
ラヴェルのピアノ作品の中で、特に入門に適している2つの小品を紹介します。
1. 前奏曲(1913)
2. メヌエット 嬰ハ短調 M.42
これらの作品には、初学者に嬉しい3つの特徴があります:
・演奏時間が約1分と極めてコンパクト 練習のモチベーションも保ちやすい
・技術的な難易度が比較的低い ツェルニー30番程度の技術があれば十分に取り組める
・ラヴェルの音楽語法が凝縮 短い曲でありながら、ラヴェルらしい響きを学べる
► 作品解説
‣ 前奏曲(1913)について
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
・見開き2ページという驚くべきコンパクトさ
・ツェルニー30番入門程度の技術で挑戦可能
・特徴的な書法:オクターブの間に和声音を挟む手法(シアリングスタイル)など
・ラヴェルらしい響きが凝縮された教材としての価値
‣ メヌエット嬰ハ短調 M.42について
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
ラヴェルの死後に出版されたと言われている作品です。
・全23小節の小品
・A-B-Cの単純な形式構成
・旋法的な書法やシアリングスタイルの使用など、ラヴェルの作風が色濃く
・古典的な手法(オルゲルプンクト、単純な変奏など)も効果的に使用
► 楽譜について
‣ 前奏曲(1913)
・デュラン版が標準楽譜
・ぷりんと楽譜でも同内容で入手可能(価格は約1/4)
・運指などの補筆があり初学者に親切
デュラン版の内容と照らし合わせてみたところ、同じ内容のものが「ぷりんと楽譜」にありました。
» 前奏曲(Maurice Ravel) /ピアノ(ソロ) 中級
‣ メヌエット嬰ハ短調 M.42
・サラベール版が標準的
・ピアノ 楽譜 ラヴェル | メヌエット 嬰ハ短調 | Menuet en ut diese mineur (1904)
出版社: Salabert サラベール
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► おわりに
これら2作品は、ラヴェルの音楽世界への入り口として最適です。
短い演奏時間ながら、彼の作曲技法の特徴が凝縮されており、より大規模な作品に取り組む前の準備としても有益でしょう。
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