- レベル別:ピアノ独学者のための学習参考書籍ライブラリー
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- ► ピアノ学習に役立つ書籍ライブラリー
- ‣ 初級者向け
- · ピアノの技法―楽しみつつマスターできる 著 : チャールス・クック
- · ピアノへの道 著:アンドル フォルデス
- · ピアノ奏法の基礎 著 : ジョセフ・レヴィーン
- · 若いピアニストへの手紙 技術をみがき作品を深く理解するために 著:ジャン・ファシナ
- · ピアノ・テクニックの基本 著:ピーター コラッジオ
- · ピアノ奏法 音楽を表現する喜び 著:井上 直幸
- · ピアノ演奏のヒント 著:徳末悦子
- · ピアノ演奏の秘訣―音楽的技法のエッセンス 著:森山ゆり子、森山光子
- · 新訂 ピアノの学習 著:長岡敏夫
- · ピアノ曲の分析と演奏 著:R.ケルターボルン
- · バッハのクラヴィーア作品 著:ヘルマン・ケラー
- · バッハの平均律クラヴィーア曲集 著:ヘルマン・ケラー
- · ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル
- · 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー
- · ピアノ常識入門 ムジカノーヴァ叢書 4 著:北村恒二
- · おわらない音楽 私の履歴書 著:小澤征爾
- ‣ 中級者向け
- · ピアノ・ペダルの技法 著:ジョーゼフ・バノウェツ
- · ピアノ ペダリング 著:ライマー・リーフリング
- · ピアノ・ペダルの芸術 著 : アルガーノン・H.リンド
- · ペダルの現代技法―ピアノ・ペダルの研究 著 : K.U.シュナーベル
- · ピアノを歌わせる ペダリングの技法 「いつ踏むか」ではなく「どう踏むか」 著 : ヘルムート・ブラウス
- · ピアノペダルの使い方 著:笈田光吉
- · ピアノ・ペダルの踏み方 著:安田信子
- · ピアニストからのメッセージ 演奏活動とレッスンの現場から 著:ボリス ベルマン
- · ピアノ演奏のテクニック 著:ヨーゼフ・ガート
- · ピアノ奏法の研究 音楽作品の芸術的理解にもとづく 著 : クルト・シューベルト
- · 現代ピアノ演奏法 著:ライマー=ギーゼキング
- · 学習者のためのピアノ演奏の解釈 著 : ジョーン・ラスト
- · ピアノ演奏のテクニック 音色・タッチ・フレージング・ダイナミクス 著 : L・H・フィリップ
- · ピアノ演奏おぼえがき 著 : ハンス・カン
- · 現代ピアノ演奏テクニック 著 : エフゲーニ・ヤコブレヴィッチ・リーベルマン
- · シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現 著 : ジョルジ・シャンドール
- · レシェティツキー・ピアノ奏法の原理 著 : マルウィーヌ・ブレー
- · シュナーベル ピアノ演奏と解釈 著:コンラッド・ウォルフ
- · アルフレッド コルトー ピアノ演奏解釈 著:アルフレッド・コルトー
- · ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 演奏法と解釈 著:パウル バドゥーラ=スコダ
- · ピアノ演奏技法 著:ジョージ・コチェヴィッキー
- · ピアノ演奏法講義 著:レオニード・クロイツエル
- · 上達のためのピアノ奏法の段階 著:井口基成
- · ピアノ演奏法 著:笈田光吉
- · ピアニズムへのアプローチ 音楽的なピアノ演奏法 著 : 大西愛子
- · ピアノが上手になる人、ならない人 著:小林仁
- · ピアノの知識と演奏―音楽的な表現のために 著:雁部一浩
- · ピアニストの毎日の基礎練習帳 著 : 岩崎淑
- · フレージングとアーティキュレーション―生きた演奏のための基礎文法 著 : ヘルマン・ケラー
- · ドビュッシーとピアノ曲 著: マルグリット・ロン
- · ラヴェルのピアノ曲 著 : エレーヌ・ジュルダン・モランジュ、ヴラド・ペルルミュテール
- · 心で弾くピアノ―音楽による自己発見 著 : セイモア・バーンスタイン
- · ピアノ演奏芸術―ある教育者の手記 著 : ゲンリッヒ・ネイガウス
- · ネイガウスのピアノ講義 そして回想の名教授 著:エレーナ・リヒテル
- · ピアノ・ノート 新装版 著:チャールズ・ローゼン
- · 作曲の基礎技法 著 : シェーンベルク
- · モーツァルトのピアノソナタ解釈本5冊:特徴と選び方ガイド
- ‣ 初級者向け
- ► ピアノ学習に役立つ校訂楽譜ライブラリー
レベル別:ピアノ独学者のための学習参考書籍ライブラリー
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表記した学習レベルの目安:
初級:バイエル修了~程度
初中級:ツェルニー30番入門~程度
中級:ツェルニー40番中盤~程度
上級:ツェルニー50番中盤~程度
例えば「中級〜上級者向け」の書籍の場合は、上級者向けの内容も含まれていますが、中級の項目へ入れています。
ほとんどの書籍には、別記事による詳細レビューリンクがついているので、必要に応じて参考にしてください。レビューによっては、紹介している各書籍の相互関係や組み合わせ方などを提案しているものもあります。
この記事は随時更新されていく予定です。
► 特におすすめの推薦図書
独学でピアノを学ぶ方に、特に効果的な教材をレベル別に厳選して紹介します。
‣ 初級者向け 特選書籍
· 最新ピアノ講座(1) ピアノとピアノ音楽
・出版社:音楽之友社
・初版:1981年
・ページ数:223ページ
・対象レベル:初級~上級者
ピアノを深く知るための決定版といえる一冊。
楽器の歴史から構造、音楽史、演奏技巧の変遷、教育法、保守と防音まで、まさに「ピアノの図鑑」として機能する本書。
日本を代表するピアニストや作曲家、音楽大学教授陣による分担執筆で、それぞれの専門分野について詳しく解説されています。
· 楽式論 著:石桁 真礼生
・出版社:音楽之友社
・初版:1949年
・ページ数:326ページ
・対象レベル:初中級~上級者
圧倒的に有益な、分野特化型専門書。
一言でいうと音楽の成り立ちを深く理解するための参考書。
こういったタイプの専門書は、「いますぐ使える小技を得るもの」というよりは、「音楽を根本から理解し、総合的な力をつけるためのバイブル」といったところでしょう。
‣ 中級者向け 特選書籍
· 斎藤秀雄 講義録
・出版社:白水社
・初版:1999年
・ページ数:300ページ
・対象レベル:中級~上級者
厳格な指導者として知られる斎藤秀雄氏の貴重な講義録。
音楽に対する真摯な姿勢と深い洞察が、読む者の背筋を伸ばし、勇気を与えます。
自分の音楽がふらついたら、必ずこの書籍へ戻ってくるようにしています。
· 武満徹著作集〈1〉
・出版社:新潮社
・初版:2000年
・ページ数:ページ
・対象レベル:初中級~上級者
この著作集は第1巻~第5巻までありますが、特に第1巻は、曲作り、もの作り、楽器演奏をやっている方は必読。
テクニックが書かれているのではなく、様々な視点からのエッセイを通して「彼が音楽をどう聴いていたのか」「どう捉えていたのか」を深く知ることができます。
運営者自身、年に一回は必ず読み返すようにしており、本棚から離れることは一生ないと断言できる一冊です。
► ピアノ学習に役立つ書籍ライブラリー
レベルや目的に応じて、様々な学習教材を紹介します。
‣ 初級者向け
· ピアノの技法―楽しみつつマスターできる 著 : チャールス・クック
・訳 : 堀内敬三
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1954年
・ページ数:256ページ
・対象レベル:初級~中級者
テクニック指南書の域を超えて、音楽を楽しみながら上達するための本質的な指針が提供されています。
· ピアノへの道 著:アンドル フォルデス
・訳:渡辺護
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1956年
・ページ数:本編 86ページ
・対象レベル:初級~中上級者
テクニック、音楽性、精神面まで含めた総合的なピアノ演奏の指南書。第八章のQ&A形式(36項目)では、実践的な疑問に対する具体的な回答が提供されています。
· ピアノ奏法の基礎 著 : ジョセフ・レヴィーン
・訳 : 中村菊子
・出版社:全音楽譜出版社
・邦訳初版:1980年
・ページ数:66ページ
・対象レベル:初中級~上級者
観念的な話は少なく、ほとんどが実践的で具体的な内容。忙しい方でも1時間程度で読み通せるコンパクトさが魅力です。
· 若いピアニストへの手紙 技術をみがき作品を深く理解するために 著:ジャン・ファシナ
・訳:江原郊子、栗原詩子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:2004年
・ページ数:117ページ
・対象レベル:初中級~上級者
小澤征爾氏をはじめ、国内外の著名音楽家たちが推薦する一冊。高度な内容を学習者の目線でわかりやすく語ってくれています。
· ピアノ・テクニックの基本 著:ピーター コラッジオ
・訳:坂本暁美、坂本示洋
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版: 2005年
・ページ数:175ページ
・対象レベル:初中級~上級者
専門的な内容を驚くほど親しみやすく解説した稀有な教則本。
· ピアノ奏法 音楽を表現する喜び 著:井上 直幸
・出版社:春秋社
・初版:1998年
・ページ数:176ページ
・対象レベル:初中級~上級者
ピアノ演奏の技術的側面だけでなく、音楽への向き合い方や作品への敬意など、音楽家としての本質的な成長に必要な要素が凝縮されています。
· ピアノ演奏のヒント 著:徳末悦子
・出版社:音楽之友社
・初版:1986年
・ページ数:158ページ
・対象レベル:初中級~上級者
専門的な内容でありながら、親しみやすい文体とユーモアのあるイラストによって、読者を楽しませながら学びを提供している点が特徴です。
· ピアノ演奏の秘訣―音楽的技法のエッセンス 著:森山ゆり子、森山光子
・出版社:音楽之友社
・初版:2000年
・ページ数:107ページ
・対象レベル:初中級~上級者
繊細な演奏技術を身体感覚と結びつけた説明が随所に見られます。また、豊富なビジュアル資料と分かりやすい比喩表現により、抽象的になりがちな演奏技術が具体的にイメージできます。
· 新訂 ピアノの学習 著:長岡敏夫
・出版社:音楽之友社
・初版:1972年
・ページ数:475ページ
・対象レベル:初級~上級者
この書籍は一般的な「テクニック本」ではありません。バロック時代から邦人作品も含む現代に至るまでの膨大なピアノ作品についての簡潔な解説と15段階の難易度を示した、百科事典的な一冊です。
· ピアノ曲の分析と演奏 著:R.ケルターボルン
・訳:竹内ふみ子
・出版社:シンフォニア
・邦訳初版:1975年
・ページ数:130ページ
・対象レベル:初中級〜上級者
ピアノ曲に焦点が当てられた楽曲分析の参考書。単なる理論的な分析に留まらず、その知見をいかに演奏に活かすかまで、丁寧に解説されています。
· バッハのクラヴィーア作品 著:ヘルマン・ケラー
・訳 : 東川清一、中西和枝
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1972年
・ページ数:395ページ
・対象レベル:初中級〜上級者
書籍全体としては、解釈本や分析本というよりは「J.S.バッハのクラヴィーア作品を演奏するにあたって知っておくべきことをまとめた教科書」という印象です。
· バッハの平均律クラヴィーア曲集 著:ヘルマン・ケラー
・訳:竹内孝治、殿垣内知子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1986年
・ページ数:238ページ
・対象レベル:初中級〜上級者
上記書籍「バッハのクラヴィーア作品」でも平均律クラヴィーア曲集の解説はされていますが、ヘルマン・ケラーの約15年後の著作ということもあり、同じ作品に対しても別の文章を使って解説されています。1曲あたりに関する記述内容は、こちらの書籍の方がより豊富です。
· ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル
・訳 : 服部幸三
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1957年
・ページ数:287ページ
・対象レベル:初級〜上級者
音楽史の中でも「ピアノ音楽史」に特化して、手軽にざっくり学びたい方に適した一冊。
· 鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー
・訳 : 千蔵八郎
・出版社:全音楽譜出版社
・邦訳初版:1979年
・ページ数:804ページ
・対象レベル:初級〜上級者
音楽史の中でも「ピアノ音楽史」に特化して、本格的にがっつり学びたい方に適した一冊。
· ピアノ常識入門 ムジカノーヴァ叢書 4 著:北村恒二
・出版社:音楽之友社
・初版:1982年
・ページ数:207ページ
・対象レベル:楽器についての知識的な書籍のため、演奏レベルは不問
「ピアノ常識入門」というタイトルからは何の常識か分かりにくいかもしれませんが、これはピアノという楽器そのものについての百科事典的な一冊です。楽器の進化の歴史、構造、保守管理まで幅広くカバーしています。
· おわらない音楽 私の履歴書 著:小澤征爾
・出版社:日本経済新聞出版
・初版: 2014年
・ページ数:182ページ
・対象レベル:初級~上級者
世界的な指揮者であった故・小澤征爾氏による自伝的エッセイ。音楽への向き合い方などを学べます。
‣ 中級者向け
· ピアノ・ペダルの技法 著:ジョーゼフ・バノウェツ
・訳:岡本秩典
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1989年
・ページ数:342ページ
・対象レベル:中級~上級者
512もの豊富な譜例を用いながら、3本のペダルそれぞれについて徹底的な探究を行っている、まさに決定版と呼べる研究書。
· ピアノ ペダリング 著:ライマー・リーフリング
・訳:佐藤峰雄
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1982年
・ページ数:138ページ
・対象レベル:中級~上級者
ピアノのペダリングについて体系的に学べる一冊。同分野の他書と比べてコンパクト(138ページ)。
· ピアノ・ペダルの芸術 著 : アルガーノン・H.リンド
・訳 : 北野健次
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版: 1976年
・ページ数:145ページ
・対象レベル:中級~上級者
ペダリングの本質的な理解から実践的なテクニックまで、科学的かつ系統的に解説されています。上記、ライマー・リーフリングの「ピアノ ペダリング」よりも多少専門度が上がります。
· ペダルの現代技法―ピアノ・ペダルの研究 著 : K.U.シュナーベル
・訳 : 青木和子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1964年
・ページ数:67ページ
・対象レベル:中級~上級者
多くのピアノ教則本ではあまり触れられない¼ペダル、½ペダル、¾ペダルなどの繊細なペダリング技法について、具体的な譜例とともに丁寧に説明されています。
· ピアノを歌わせる ペダリングの技法 「いつ踏むか」ではなく「どう踏むか」 著 : ヘルムート・ブラウス
・訳 : 市田 儀一郎、朝山 奈津子
・出版社:全音楽譜出版社
・邦訳初版:2013年
・ページ数:110ページ(本編が73ページ、充実した参考文献が付けられている)
・対象レベル:中級~上級者
音響学的な観点からペダリングにアプローチしている点が特徴。感覚や経験則だけでなく、科学的な裏付けを持って解説を展開しています。
· ピアノペダルの使い方 著:笈田光吉
・出版社:音楽之友社
・初版:1957年
・ページ数:138ページ
・対象レベル:中級~上級者
著者の笈田光吉氏は、師レオニード・クロイツァー教授のドイツ語著作「Das normale Klavierpedal」を基に、日本のピアノ学習者向けに再構築した本書を著しました。
· ピアノ・ペダルの踏み方 著:安田信子
・出版社:音楽之友社
・初版:1981年
・ページ数:81ページ
・対象レベル:中級~上級者
本書では、具体的な数値(ソフトペダル使用時の音量減少量 他)や豊富な譜例を通じて、理論と実践の両面からペダリングを学ぶことができます。コンパクトながら必要な情報が詰まっており、独学者にとって特に有用な一冊と言えます。
· ピアニストからのメッセージ 演奏活動とレッスンの現場から 著:ボリス ベルマン
・訳 : 阿部美由紀
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:2009年
・ページ数:286ページ
・対象レベル:中級~上級者
著者の教育現場での実体験に基づいた具体的なアドバイスの数々です。「こういう学生にこうアドバイスしたら上達した」という実例を交えながら、理論と実践の両面から論じています。
· ピアノ演奏のテクニック 著:ヨーゼフ・ガート
・訳 : 大宮真琴
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1974年
・ページ数:302ページ
・対象レベル:中級~上級者
最大の特徴は、生理学的・解剖学的な観点からピアノ演奏を解説している点です。単なる「こうすべき」という指示だけでなく、「なぜそうするのか」という理論的背景まで深く掘り下げられています。
· ピアノ奏法の研究 音楽作品の芸術的理解にもとづく 著 : クルト・シューベルト
・訳 : 佐藤峰雄
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1973年
・ページ数:本編 186ページ
・対象レベル:中級~上級者
ピアノ演奏における芸術性と技術的側面を深く結びつけた実用書。
· 現代ピアノ演奏法 著:ライマー=ギーゼキング
・訳 : 井口秋子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1967年
・ページ数:本編163ページ
・対象レベル:中級~上級者
カール・ライマーとその弟子ヴァルター・ギーゼキングの共著となっていますが、実際の文章はライマーの視点で書かれています。本書は、技術のみでなく、音楽に対する態度、学習への深い視点、そして芸術としてのピアノ演奏の本質を教えてくれます。
· 学習者のためのピアノ演奏の解釈 著 : ジョーン・ラスト
・訳 : 黒川武
・出版社:全音楽譜出版社
・邦訳初版:1970年
・ページ数:152ページ
・対象レベル:中級~上級者
演奏技術の解説ではなく、音楽的文脈における「解釈」に重点を置いている一冊。
· ピアノ演奏のテクニック 音色・タッチ・フレージング・ダイナミクス 著 : L・H・フィリップ
・監修:星出雅子 訳 : 村上信行
・出版社:シンフォニア
・邦訳初版:2008年
・ページ数:125ページ
・対象レベル:中級~上級者
「短期間」でピアノのテクニックや表現技法を深めたい方にとって非常に有用な構成です。
· ピアノ演奏おぼえがき 著 : ハンス・カン
・訳 : 城 房枝
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版: 1987年
・ページ数:138ページ
・対象レベル:中級〜上級者
音楽的表現や解釈にも重点を置いた総合的なアプローチ。隣接書籍(ガートやリーベルマンなどの演奏指導書)に比べるとやや易しめな内容です。
· 現代ピアノ演奏テクニック 著 : エフゲーニ・ヤコブレヴィッチ・リーベルマン
・訳 : 林万里子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1978年
・ページ数:150ページ
・対象レベル:中級〜上級者
ネイガウス楽派の卓越した指導法を継承しつつ、現代のピアノ学習者のニーズに応える実践的な指南書。
· シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現 著 : ジョルジ・シャンドール
・監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名
・出版社:春秋社
・邦訳初版:2005年
・ページ数:353ページ
・対象レベル:中級〜上級者
150もの図解を用いて、身体のメカニズムから音楽表現まで、体系的かつ実践的な指導が展開されています。
· レシェティツキー・ピアノ奏法の原理 著 : マルウィーヌ・ブレー
・訳 : 北野健次
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1973年
・ページ数:353ページ
・対象レベル:中級〜上級者
基本的な演奏姿勢や手の形から始まり、豊富な写真や譜例とともに様々なテクニックが丁寧に解説されています。レシェティツキーの教え子であり助手でもあったマルウィーヌ・ブレーによって書かれた教則本の完訳版です。
· シュナーベル ピアノ演奏と解釈 著:コンラッド・ウォルフ
・訳 : 千蔵八郎
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1974年
・ページ数:233ページ
・対象レベル:中級〜上級者
著者のコンラッド・ウォルフはシュナーベルに師事し、長年の研究と記録を重ね、師の同意と協力を得て本書を完成させました。シュナーベルの演奏技術、音楽表現、教育理念などを学べる貴重な指南書。
· アルフレッド コルトー ピアノ演奏解釈 著:アルフレッド・コルトー
・訳 : 店村新次
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1983年
・ページ数:本編 305ページ
・対象レベル:中級~上級者
一曲に対する記述量はあまり多くありませんが、解釈面での演奏指南に留まらず、各楽曲の歴史的背景や音楽的文脈を解説している点が特徴です。また、「ピアノ演奏論」の章は、演奏に対するコルトーの哲学が凝縮されており、必読と言えます。
· ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 演奏法と解釈 著:パウル バドゥーラ=スコダ
・訳:高辻知義、岡村梨影
・出版社:音楽之友社
・発行年:新版 2003年
・ページ数:新版 188ページ
・対象レベル:中級~上級者
本書は「こう弾きなさい」という即効性のある演奏指南書ではありません。しかし、それ以上の価値があります。演奏解釈の本質、作曲家と演奏家の関係、音楽の伝承の在り方など、ピアノ演奏の根本に関わる洞察に満ちています。
· ピアノ演奏技法 著:ジョージ・コチェヴィッキー
・訳 : 黒川武
・出版社:全音楽譜出版社
・邦訳初版:1977年
・ページ数:93ページ
・対象レベル:中級~上級者
最大の特徴は、ピアノ演奏を単純な指の訓練や筋肉の問題としてではなく、中枢神経系の働きという観点から科学的に分析している点です。
· ピアノ演奏法講義 著:レオニード・クロイツエル
・訳:笈田光吉
・出版社:芸術社出版部
・邦訳初版:1931年
・ページ数:本編 158ページ
・対象レベル:中級~上級者
古典でありながら現代のピアノ学習者にも多くのヒントを与えてくれる教則本です。読みやすさという面での課題はありますが、著名なピアニストが残したその内容には一度目を通しておくべきでしょう。
· 上達のためのピアノ奏法の段階 著:井口基成
・出版社:音楽之友社
・初版:1955年
・ページ数:265ページ
・対象レベル:中級~上級者
テンポ関連用語、ダイナミクス記号、アーティキュレーションの比較表など、実用的な資料が充実。さらに、第三部の教材選択に関する提案は、段階的な学習計画を立てるうえで参考になります。
· ピアノ演奏法 著:笈田光吉
・出版社:音楽之友社
・初版:1951年
・ページ数:89ページ
・対象レベル:中級~上級者
文体の古さはありますが、特に、身体の使い方や楽器との関係性についての考察は、現代のピアノ教育にも大きなヒントを与えてくれます。
· ピアニズムへのアプローチ 音楽的なピアノ演奏法 著 : 大西愛子
・出版社:全音楽譜出版社
・初版:1996年
・ページ数:158ページ
・対象レベル:中級~上級者
Weight-Transfer Legatoや三度のトリルや親指の交差など、他の教則本では中々詳しく解説されていない技術的な側面にも踏み込んでいる点が特筆されます。
また、抽象的になりがちな音楽表現を、具体的な比喩を用いて分かりやすく説明している点も、本書の大きな強みです。
· ピアノが上手になる人、ならない人 著:小林仁
・出版社:春秋社
・初版:2012年
・ページ数:198ページ
・対象レベル:中級~上級者
1988年の「ピアノの練習室」を基に改訂・再編集された、中級~上級者向けの実践的なピアノ指導書。まるで個人レッスンや講演会に参加しているかのような語り口で、読者を音楽の本質へと導いていきます。
· ピアノの知識と演奏―音楽的な表現のために 著:雁部一浩
・出版社:音楽之友社
・初版:1999年
・ページ数:86ページ
・対象レベル:中級~上級者
ピアノという楽器の構造的理解に基づいて演奏技術を解説し、さらにその先にある音楽表現との関係性にまで踏み込んでいる一冊です。
· ピアニストの毎日の基礎練習帳 著 : 岩崎淑
・出版社:春秋社
・初版:2011年
・ページ数:210ページ
・対象レベル:中級~上級者
練習メニューの紹介に留まらず、著者の豊富な演奏経験から来る知見と、世界的な音楽家たちの名言の紹介が凝縮された一冊となっています。
· フレージングとアーティキュレーション―生きた演奏のための基礎文法 著 : ヘルマン・ケラー
・訳 : 植村耕三、福田達夫
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版: 1969年
・ページ数:149ページ
・対象レベル:中級〜上級者
「フレージング」と「アーティキュレーション」という、演奏解釈において頻繁に混同されがちな概念が体系的に解説されています。
· ドビュッシーとピアノ曲 著: マルグリット・ロン
・訳:室淳介
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1969年
・ページ数:新版 144ページ 旧版 166ページ
・対象レベル:中級~上級者
ドビュッシーに直接師事したピアニスト、マルグリット・ロンによる貴重な証言をまとめた書籍。ドビュッシー本人から受け継いだ知識が惜しみなく語られています。
· ラヴェルのピアノ曲 著 : エレーヌ・ジュルダン・モランジュ、ヴラド・ペルルミュテール
・訳 : 前川幸子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1970年
・ページ数:101ページ
・対象レベル:中級〜上級者
ラヴェルに直接師事したピアニスト、ヴラド・ペルルミュテールによる貴重な証言をまとめた書籍。ラヴェル本人から受け継いだ知識が惜しみなく語られています。
· 心で弾くピアノ―音楽による自己発見 著 : セイモア・バーンスタイン
・訳 : 佐藤覚、大津陽子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:1999年
・ページ数:286ページ
・対象レベル:中級〜上級者
技術と心の両面からピアノ演奏について深く掘り下げた一冊。
· ピアノ演奏芸術―ある教育者の手記 著 : ゲンリッヒ・ネイガウス
・訳 : 森松皓子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:2003年
・ページ数:320ページ
・対象レベル:中級〜上級者
ネイガウスが演奏活動や教育活動を通して感じたこと、学習者に伝えたいと思ったことを幅広く扱っている、まさに「手記」のようなスタイルで進んでいきます。特定の問題の解決を望んでいるのではなく、自身の音楽レベルや考え方を総合的に育てたい学習者に最適な一冊です。
· ネイガウスのピアノ講義 そして回想の名教授 著:エレーナ・リヒテル
・訳 : 森松皓子
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版:2007年
・ページ数:253ページ
・対象レベル:中級~上級者
特に、104の「金言集」は、練習に行き詰まったときの道標となるでしょう。同じくネイガウスの「ピアノ演奏芸術」と併せて読むことで、より深い理解が得られます。「ピアノ演奏芸術」がどちらかというと体系的な教育論を展開しているのに対し、本書はより多面的な視点から彼の音楽観と人間性に迫っています。
· ピアノ・ノート 新装版 著:チャールズ・ローゼン
・訳 : 朝倉和子
・出版社:みすず書房
・邦訳初版:2009年
・ページ数:本編 227ページ
・対象レベル:中級~上級者
技術指導はほとんどなく、体系的に何かの問題点を解決するタイプの書籍ではありません。読み物の形で、ある音楽のテーマについて著者が広く話題にし、その中で様々な音楽観や知識を提供していくスタイルで構成されています。
· 作曲の基礎技法 著 : シェーンベルク
・訳 : 山縣茂太郎、鴫原真一
・出版社:音楽之友社
・邦訳初版: 1971年
・ページ数:254ページ
・対象レベル:中級〜上級者
バロックから古典派、ロマン派に至る西洋音楽の根幹が体系的に解説されており、楽曲分析の本質的な視点を得ることができます。演奏学習者にとっても有益な音楽理論書。
· モーツァルトのピアノソナタ解釈本5冊:特徴と選び方ガイド
モーツァルトのピアノソナタに関する研究は非常に多岐にわたり、それに伴って解釈本などの資料も豊富に存在します。日本語で手に入りやすい定番の解釈本5冊は以下のものです:
・モーツァルト ピアノ・ソナタ演奏と解釈 著 : 山崎 孝
・モーツァルト ピアノソナタ 形式の分析による演奏の手引き 著 : ヨセフ ブロッホ、中村 菊子、木幡 律子
・モーツァルト ピアノソナタ 楽曲構成と演奏解釈 著 : 山縣 茂太郎
・新版 モーツァルト 演奏法と解釈 著 : エファ&パウル・バドゥーラ=スコダ 訳 : 堀朋平、西田紘子 監訳 : 今井顕
・最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ
以下の記事では、それぞれの特徴について解説しています。
【ピアノ】モーツァルトのピアノソナタ解釈本5冊:特徴と選び方ガイド
► ピアノ学習に役立つ校訂楽譜ライブラリー
‣ ペルルミュテール校訂:ラヴェル ピアノ曲集
・校訂者:ペルルミュテール
・出版社:音楽之友社
・収録作品の範囲:
– 曲集 I:古風なメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ
– 曲集 II:水の戯れ
– 曲集III::ソナチネ
– 曲集 IV:鏡
– 曲集 V:夜のガスパール
– 曲集VI:高雅で感傷的なワルツ
– 曲集VII:クープランの墓
・特徴:音楽解釈だけではなく、技術的なヒントにも触れられている点が魅力です。
‣ シュナーベル校訂:ベートーヴェン ピアノソナタ集
・校訂者:シュナーベル
・出版社:クルチ社
・収録作品の範囲:
– 第1巻 第1番〜第12番
– 第2巻 第13番〜第23番
– 第3巻 第24番〜第32番
・特徴:豊富にダイナミクス記号や音楽標語を追加して、演奏者に細やかな注意を促しています。
‣ 園田高弘校訂:J.S.バッハ インヴェンションとシンフォニア
・校訂者:園田高弘
・出版社:春秋社
・収録作品の範囲:
– 2冊構成
– 2声のインヴェンションの全15曲が収録された楽譜
– 3声のシンフォニアの全15曲が収録された楽譜
・特徴:
独学者が特に悩みやすい以下の点について、明確な指針が示されています:
・アーティキュレーション(音の繋ぎ方、切り方 など)
・運指(指使い)
・装飾音符の演奏方法
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