【ピアノ】ラヴェルを学ぶための決定版ガイド:ペルルミュテール校訂版の魅力
► はじめに
ラヴェル(1875-1937)は20世紀フランス音楽を代表する作曲家であり、その緻密で色彩豊かなピアノ作品は今日も多くのピアノ弾きを魅了し続けています。
本記事では、ラヴェルの音楽を深く理解し、演奏するための貴重な教材について紹介します。
► ペルルミュテール校訂版の概要
‣ 特徴と価値
ヴラド・ペルルミュテール(1904-2002)は、ラヴェル本人に直接指導を受けた数少ないピアニストの一人です。音楽之友社から出版されている彼自身の校訂版は、作曲者の意図を直接継承した極めて重要な資料と言えます。
この校訂版の魅力は、単なる音楽解釈に留まらず、実践的な演奏技術にも踏み込んでいる点であり、例えば:
・どの手で音を取るべきか(この音は下段に書いてあるが、右手で取ると良い など)
・運指
・ペダリングの工夫
など、演奏に直結する具体的なアドバイスが多数収録されています。
ラヴェル作品を学ぶ際は、デュラン版と併用しながら参考書的に活用してみましょう。
‣ 各曲集一覧
以下の7巻に分かれており、各作品ごとにペルルミュテール自身の演奏解釈や実践的アドバイスが書き込まれています。一冊あたりの収録曲数は少ないものの、そのぶん扱いやすく、譜面台に置いても閉じにくいため、実際の練習でも非常に使いやすい楽譜です。
・ラヴェル ピアノ曲集 I: 古風なメヌエット、亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェル ピアノ曲集 II: 水の戯れ
・ラヴェル ピアノ曲集 III: ソナチネ
・ラヴェル ピアノ曲集 IV: 鏡
・ラヴェル ピアノ曲集 V: 夜のガスパール
・ラヴェル ピアノ曲集 VI: 高雅で感傷的なワルツ
・ラヴェル ピアノ曲集 VII: クープランの墓
‣ 効果的な学習方法
1. デュラン版と併用する
注釈などが書かれていないまっさらなデュラン版を中心に、校訂版も参考にしていくバランスがベストです。作品に対する自身の考えも大切にしましょう。
2. 関連書籍を併用する
以下の書籍において、ペルルミュテールとエレーヌ・ジュルダン・モランジュ(ラヴェルと親交の深かったヴァイオリニスト)の対談が収載されています。楽曲毎にラヴェル本人から受け継いだ知識が惜しみなく語られています。
・ラヴェルのピアノ曲 著 : エレーヌ・ジュルダン・モランジュ、ヴラド・ペルルミュテール 訳 : 前川 幸子 / 音楽之友社
3. 音楽的理解の深化
・作品の歴史的背景の研究
・フランス音楽全般の歴史的背景の研究
・フランス音楽の様式的特徴の理解
併読推奨記事:【ピアノ】ノーマン=デマス「フランス・ピアノ音楽史」レビュー
► 終わりに
ペルルミュテール校訂版は、ラヴェルのピアノ作品を学ぶうえで貴重な資料です。特に:
・弟子の校訂からラヴェルの音楽感を理解したい方
・演奏解釈に説得力を持たせたい方
・独学で悩みがちな実践的な演奏技術のヒントを得たい方
にとって、非常に価値の高い資料と言えるでしょう。
ペルルミュテールの関連内容として、【ピアノ】ラヴェルの弟子が語る「ラヴェルのピアノ曲」:演奏解釈の決定版 も参考にしてください。
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