ダンパーペダル(以下、ペダル)の使用箇所は
演奏家自身が決めなくてはいけません。
作曲家が指示していない楽曲の方が多く、
出版社が書き込んでいるペダル指示は
多くの場合、大雑把過ぎるからです。
使用箇所の決定については
これまでにも何度も記事にしてきました。
さて、
「たとえ濁らなくてもペダルを踏まない方が良い場合」
とはどのような場合なのでしょうか。
以前に書いた、
「ペダルを外すことで得られる音響を知ること」という記事では、
◉ 伸びた響きでパッセージを和音化したくないとき
という書き方をしましたが、
補足的に別の言い方をします。
ペダルを踏むと、当然ですが「軽やかさ」が失われます。
例えば、
ショパン「エチュード op.10-1」などで
さまざまな演奏家の録音を聴いてみると、
「途中で数小節だけペダルを外している演奏」があります。
分散和音の楽曲ですので
基本的にはペダルを使用しても良いのですが
使用しないところを作ることで
その部分のみ「パラパラ」と軽い音響が得られます。
これをやるべきかどうかは演奏家の自由ですが、
表現や音色に幅が出てくることは確か。
このような工夫は他の楽曲でも応用できます。
ピアノを弾ける方は山ほどいます。
難しい楽曲を弾ける方もいくらでもいます。
その中でどうやって自分のステージを上げていくかということに関しては、
このような
「細かいことだけども、耳のいい聴き手には伝わる部分」
にこだわっていくしかありません。
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