弱音の演奏というのは
ある意味、
「指を速く動かすのと同じくらい、テクニックが必要」
と言えます。
◉ かすったような音しか鳴らなかった
などといったミスが発生しがちだから。
こういったミスを防ぐためには
大きく次の3つのことがポイントとなってきます。
◉ 指先の細かなコントロールを訓練しておくこと
◉ どうして音が出ないミスが起きるのか、楽器の構造から知っておくこと
今回は、この3つ目について学びましょう。
♬ かための解説
まず、かための解説をします。
鍵盤をゆっくりゆっくり下げていく場合、
結局、ハンマーが弦に触れることはありません。
接触ギリギリのところでハンマーは元の方向へ少し戻ります。
これが意味するのは、
「ある一定の段階まで鍵盤を下げたら、もう、指とハンマーは連動していない」
ということです。
完全に連動しているのであれば、
鍵盤を下げ続けているのに
ハンマーが戻ったりはしませんよね。
つまり、
連動して動いている段階で
ある程度のスピードがあれば
連動がなくなってからも「慣性」で動くので
ハンマーが弦に届き、音が鳴ります。
しかし、
ゆっくりゆっくり鍵盤を下げるときというのは
スピードがないので
連動がなくなってからの慣性を期待できません。
したがって、
ハンマーが弦に届かないんです。
「連動がなくなって宙ぶらりんになったハンマーを、どれくらいの慣性で動かすのか」
というのを
打鍵で調整しています。
「打鍵そのもので弦を打っているわけではない」
ということに注意してください。
♬ ざっくりとした解説
続いて、もっとざっくりとした解説をします。
この項目が理解できたら、
前項に戻って復習するのもオススメです。
デコピンをイメージしてください。
中指を親指に引っかけてデコピンする場合、
強くデコピンをしようとしたときは
中指が親指を離れた瞬間、
強い勢いで中指が飛んでいきます。
とうぜん、オデコに届きますね。
一方、
弱くデコピンしようとしたときは
親指から離れた中指は大して動かないので
オデコに届かない可能性が出てきます。
◉ 中指が「ハンマー」
◉ 親指と中指が離れる瞬間を「指とハンマーの連動がなくなる瞬間」
このように考えてみてください。
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