以前の指導先の同僚に、
男性の有名なピアニストがいました。
その先生は日本の音大の作曲科を卒業した後、
イタリアに留学して作曲を学びました。
そして、現地で結婚。
そのまま25年間も住み続けて数年前に帰国。
今は日本の音楽学校で作曲・ソルフェージュを教えています。
イタリアの音楽学校でも少しだけ教鞭をとっていたそうですが、
現代音楽の作曲はそもそも金銭を得ることを目的としていません。
では、どうやってイタリアで生活をしていたのでしょうか。
その先生がいうには、
「ピアノを弾いていた」
とのこと。
普通の感覚でしたら、
「ピアノを弾いて食っていくなんてムリ」
と思いますよね。
ところが、
譜面はもちろん、即興やコード弾きはお手のものだったようで、
◉ 各種BGM演奏のピアニスト
◉ 音楽学校の演奏補助員
などをはじめとし、
ありとあらゆるところでピアノを弾いていたそうです。
正直、こういったことをこなすためには相当なピアノの力が必要です。
しかしその先生は、
「 ”ピアノが弾ける ”ということは ”食っていける” ということ」
と言っていました。
ピアノ学習者の方にお伝えしたのは、
ここまで極端にピアノで仕事をするわけではなくても
ピアノで前に出るチャンスはあるということです。
◉ 知り合いから小さなサロンコンサートを頼まれた
◉ 入門者にピアノを教えてくれと言われた
どれも素晴らしいことです。
皆、変な潔癖さがあります。
「趣味でやっているから」
「自分が楽しめればいいから」
などと言って、
活動内容だけでなく
ピアノのさらなる上達に対しても
自らストップをかけてしまいます。
せっかく有限な時間の多くを使って
ピアノを弾いているのですから、
もっと大きな目標をもってもいいと思います。
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