作品によっては、
「遠くで」
などと作曲家自身が書き込んでいることもあります。
例えば、
ドビュッシーは
「lointain」
という用語を用いています。
その他、
あらゆる作曲家が「遠くで」という言葉とともに
「音楽の奥行き(距離感)」の表現を要求しています。
では、
奥行き(距離感)を出すためには
どのように演奏すればいいのでしょうか。
やり方は色々とありますが、
最も基本的かつ取り組みやすいのは
「ソフトペダルを使用する」
という方法です。
音が遠くで鳴っているように聴かせるために必要なのは
「音量のコントロール」よりも
むしろ「音色のコントロール」です。
「音量は小さいけれど、硬い音」
を出してしまっては
音像は近くにいるように聴こえてしまいます。
そこで、
ソフトペダルを使用することで音色を曇らせるのが
効果的というわけなのです。
もう一つ、
ペダリング面で奥行き(距離感)を出すための方法として
「ダンパーペダルを使用する」
という方法があります。
「え? ダンパーペダルっていつでも使っているよね?」
などと頭に ? が浮かびませんでしたか?
一般的に、余韻が多ければ多いほど音像が遠くに聴こえます。
例えば、
「録音」で
ステージ上でのアンサンブルを擬似的に表現する場合、
奥に配置されている楽器ほど
リバーブ(残響)を多くつけてあげているのです。
そうすることで
遠くに配置されているように聴こえさせることができています。
各楽器にマイクが立てられている場合、
リバーブ処理しないと
どの楽器もほぼ同じような位置から
聴こえてくることになってしまいます。
少し難しかったですよね。話を戻します。
ダンパーペダルを踏むことで余韻が多く付くのは
お感じになったことがあるはずです。
同じ一音でも、
ペダルを踏んでおいてからポーンと弾くことで
倍音も含めてとても良く響きますよね。
つまり、
「柔らかい音色で静かに弾き、ダンパーペダルで余韻をつける」
こうすることで
音の奥行き(距離感)を出すことができるのです。
ただし、
当然ながらこの方法が使えるのは
「遠くで」と書かれているところの直前で
ダンパーペダルを使っていなかった場合のみ。
まとめます。
① ソフトペダルを使用する
(最も基本的かつ取り組みやすい)
② 柔らかい音色で静かに弾き、ダンパーペダルで余韻をつける
(使える場面は限られるが、効果アリ)
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