具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)
この楽曲をはじめ、
比較的多くの楽曲で
「曲頭の音を単音のみで響かせてスタートするケース」
が見られます。
ショパン「ノクターン 第2番 op.9-2」などもそうですね。
こういった始まり方の場合には、
その単音に命をかけてください。
「ほんとうに大切に音を出して欲しい」
という意味。
というのも、
その音が単独で丸裸になり目立つから。
また、楽曲の初めなので
その音の音色などが楽曲全体の基準になるから
でもあります。
「亜麻色の髪の乙女」で初めの一音を聴いたときに
「もっと丸い音を出して」
と思うことがよくあります。
丸い音を出すテクニックとしては、
◉ 打鍵速度にも気をつけて、下りる速度がゆっくり目のイメージを持つ
この2点がポイント。
「たった一音」に対しておこなうだけですから、
練習すればできるようになります。
タテにカツン!と打鍵してしまわないように注意しましょう。
(再掲)
せっかくこの楽曲を取り上げたので、
もう一つだけ話題にしたいことがあります。
譜例で丸印をつけた「2つのDes音」についてです。
1小節の隔たりはありますが、
これら2つの音同士のバランスをよく聴くことが重要です。
広義での「同音連打」ですね。
細かいことのようですが、
こういった些細なニュアンスをいい加減に作ると
耳のいい聴衆には絶対に気付かれます。
どちらの音も「極点の音」になっており、
このような高いほうにある極点の音は
聴衆のイメージに強く残るのです。
どちらか片方が
急激に大きく飛び出てしまったりしないように
注意しましょう。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント