ハーモニー(和声)が変化することも
一種のリズム表現であり、
音楽の進行感と強く結びついています。
具体例と共に見ていきましょう。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第17番 テンペスト ニ短調 op.31-2 第3楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、63-70小節)
63-66小節では
ハーモニーの色彩が細かく変わっていきます。
それに対して
67-70小節では
ずっと同じハーモニーに落ち着いています。
「対照」になっていますね。
これらを聴き比べると明らかですが
ハーモニーチェンジの多いところは
音楽の進行感が強く、
ハーモニーが停滞しているところは
進行感が弱い状態。
どちらも同じく16分音符で動いているのにも関わらず。
それを考えると、
67-70小節は少し落ち着きをもって弾いていいですね。
こういったことを
譜読みの段階で読み取ってください。
もう一例見てみましょう。
モーツァルト「ピアノソナタ第11番 K.331(トルコ行進曲付き) 第3楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、16-24小節)
この例でもやはり、
「ハーモニーが停滞しているところ」
「ハーモニーチェンジの多いところ」
これらが対照的に出てくる。
21小節目以降、
ハーモニーの移り変わりを速くしていくことで
「24小節目の終止へ向けて音楽をせき込んでいる」
と考えられるでしょう。
和声記号を細かく分析するわけでなくても、
和声変化の「頻度」を調べることで
楽曲の理解は深まることが理解できたかと思います。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント