クラシック作品のうち、
規定の年数を経過したことで
「パプリックドメイン(公有)」になっているものは多くあります。
そういったこともあり、
ネット上にはあらゆる楽曲のスコアが転がっています。
「とりあえず見てみる」
ということだけで言えば
パブリックドメインになっていない現代曲を除いては
見ることができる時代になりました。
「楽譜は高いから買わずに、公有の落ちているものを探す」
などという声もよく耳にします。
気持ちは分かります。
しかし、これは長い目でみると危険なことなのです。
まず、1つ目の理由としては、
作品がパブリックドメインになっていても
特定の出版社が独自に編集したものがそのまま出ているのは
不正アップロードの可能性があるから。
また、他の理由としては以下のようなことが挙げられます。
という記事でも紹介したとおり、
各作曲家には
国際的な舞台においても
おおむね推奨されている版があります。
こういったものを基準にした場合、
ネット上に落ちている
どこの出版社とも分からないような、分かってもマイナー過ぎる出版社の楽譜は
アーティキュレーションをはじめ
ひどいときには音自体までにも違いがあります。
しかし、
クラシックはある意味「再現芸術」であり、
音楽学の研究や校訂者によって
きちんと目が通されているものを使った方がいいことは当然のことです。
何よりも怖いのは、
ゆくゆくその楽曲を真剣に勉強しようと思ったときに
一度違った内容が身体に入ってしまっていると
本番で披露する最後の最後まで
そのクセが抜けないことに悩まされる可能性があるからです。
「ちょっと楽譜の印象を見てみるだけだからいいや」
という軽い気持ちで
無料の楽譜に手を伸ばしてしまうのは危険です。
それに、
無料で手に入れるのがクセになると
楽曲も大切にしなくなります。
ちょっと気に入らなくなると
すぐに取り組む作品を変えてしまえるからです。
「定評がある、しっかりとした楽譜を購入した」
という、
ある意味での「拘束」があったほうが
作品を大切にするはずです。
参考記事:【ピアノ】拘束すると集中できる
いいですか、
クラシック作品というのは完成度の高いものが多く
一度レパートリーにしたら「一生もの」になる可能性が高いのです。
楽譜選びをいい加減にしてしまったせいで
後で大きな後悔をしないように気をつけましょう。
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