【ピアノ】高音域のパッセージをいつもキラキラ弾かないで

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本記事では、
「その楽曲にふさわしい音色とは?」
をテーマに
高音域のパッセージの音色について考えます。

 

記事の信頼性


 

筆者は、音楽大学の学部および大学院を作曲専攻で修了し、

修士号(音楽)を取得しています。

また、音楽大学および音楽専門学校での指導経験も豊富です。

 

 

日頃、ピアノの指導を続けていると

多くの学習者に共通するクセの一つに気づきました。

「高音域の細かく動くパッセージを見ると、いつもキラキラした音質で弾いてしまう傾向がある」

ということです。

 

例えば、

ショパン「エチュード(練習曲)op.10-5 変ト長調」

通称、「黒鍵のエチュード」

の高音域でしたら

キラキラした明るい音で演奏してもいいでしょう。

 

しかし、次の譜例の場合でしたらどうでしょうか。

 

ドビュッシー「前奏曲集 第2集 より 月光の降りそそぐ謁見のテラス」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)

1小節目の後半から

「32分音符による高音域パッセージ」が出てきます。

「月光の降りそそぐ」

というタイトルにあるように

この動きは

「月光が降り注いでいる様子」

を描いていると考えてもいいかもしれません。

キラキラしている月光もあるかもしれませんが、

ここでは

ppp という非常に抑制されたダイナミクス」や

「その他のパートの在り方」から察すると

「妖艶な雰囲気をもった、曇った音色」

で演奏する方がベターだと感じます。

もちろん正解はありません。

ここでお伝えしたいのは、

譜読みの段階において

「この楽曲の、この箇所にふさわしい音色とは?」

という視点を必ず持つべきだということです。

 

特に「高音域の細かく動くパッセージ」というのは

キラキラした音質を連想させる傾向があるため

音色がいつでもどんな楽曲でも同じになってしまわないように

注意する必要があります。

 

テクニック的には、

ざっくりとではありますが

次のようなことが言えます。

◉指を立てて打鍵速度を速めに弾くと、明るい音が出る
◉指を寝せ気味にして打鍵速度をゆっくりめに弾くと、曇りがかった音が出る

 

「楽曲にふさわしい音色を考えて、それを表現する」

というのは、

指が速く動くかどうかというのとは

別の観点で必要なテクニックです。

 

音楽で大切なのは

「音の高さ」や「リズム」だけではありません。

多くの学習者がこれらばかりを気にしています。

しかし、

これらの必要性の把握と同時に

「音色」という観点を持つことが

上級レベルへ達するための超重要ポイントなのです。

 


 

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