とうぜんのことではありますが、
上段に書いてある音符だからといって
必ずしも右手でとらないといけないわけではありません。
その逆も同様です。
こういったことについて、
という記事で譜例付き解説をしました。
一方、
「余裕がある方の手でとれてもとらない方がいい音」
もあるのです。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第26番 変ホ長調 作品81a 第2楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、23小節目)
丸印をつけた音は「右手」でもとれますが、
そうするとメロディラインを「指で」レガートにできなくなります。
レガートにとってダンパーペダルというのはあくまでも補助的なものですので、
本当にレガートにするには指でつなげなければいけません。
何度も書いていることですが、
ダンパーペダルを使用して手でもつなげるのと、
ダンパーペダルを使用して手は切るのとでは、
出てくるサウンドが大きく異なります。
したがって、
丸印をつけた音は(手が届かない方はアルペッジョにしてでも)
左手でとった方がベターです。
(再掲)
これは「何を優先するのか」という問題なのですが、
上記の解説では
「メロディをレガートで美しく聴かせること」
を優先しました。
「アルペッジョにしないで済む演奏方法をとる」
ということを優先するのあれば
多くの場合は
丸印の音を右手でとることになるわけです。
しかし、
より重要であり優先すべき要素は何でしょうか?
もちろん、メロディラインですよね。
このような運指テクニックというのは
何を優先するかによって変わってくるのです。
自分が表現したい内容のためには
どの要素を優先するのがベストなのかを考える。
そのためにも
このような譜例に触れることを通して
最善の運指をチョイスする判断力を磨いていきましょう。
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