クレッシェンドやクレッシェンドなどの
「ダイナミクスの松葉」は
単に「大きく小さく」というだけでなく、
「音楽の方向性」を示すことがあります。
例えば、次のような例。
左側の譜例のように書かれているケースは多いですが、
実際は、
右側の譜例のように
段階的にクレッシェンドをして演奏すべきです。
もし、左側の譜例をそのままのニュアンスで演奏してしまうと、
フレーズ終わりの音(ここではスタッカートのついている各音)
が大きく飛び出てしまうことになり、
音楽的に不自然だからです。
つまり、
よく見られる左側の譜例のような松葉は
だんだん大きくしていく意図であると同時に、
「音楽の方向性を示している」
と言えるでしょう。
ちなみに、
武満徹などの作曲家は、
右側のようにていねいに書いた上で
そのすぐ下に
左側のような全体的なダイナミクスの方向性を
括弧付きで示していたりします。
楽譜というのは、
利便性を求めて細かく書きすぎないケースと、
あえて細かく書いて
作曲家の意図をていねいに伝えるケースが
作品によって混在しています。
その都度、
演奏者が松葉の意味を読み取っていかなくてはなりません。
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