【ピアノ】時代別に学ぶ「装飾音符の基礎」

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本記事では、
「装飾音符」について踏まえておくべき項目を解説しています。
以前に「【ピアノ: 基礎テクニック】モーツァルトのトリルの攻略法」
という記事で書きましたが、
そこで解説していない「前打音」などの内容や、
「ロマン派以降の作品」についても取り上げています。

 

注 : 本記事で譜例を取り上げている作品は

パブリックドメインになっている作品です。

出版社が独自につけたアーティキュレーションなど

権利に関わる部分は一切表示しておりません。

譜例はFinaleで作成したものです。

「拍の前に出す」装飾音符

 

「ショパン : マズルカ op.7-1」を例に出しましょう。

次の譜例(4-6小節の右手)を見てください。アーティキュレーションなどは省略しています。

作曲家や作品によって装飾音符を「拍の前に出すか出さないか」は異なりますので、

最終的には楽曲ごとにみていかなくてはいけません。

ただ、全体的な傾向はあります。

譜例でもとりあげた、

「ショパン」など「ロマン派以降の作品」の装飾音符は基本的には「拍の前に出す」のが慣例

となっています。

(現代音楽になると、装飾音符の入れ方まで「言葉」による指示があることが多いです。)

 

「拍の前」に出す装飾音符で一番重要なのは、

装飾音符がかかっている先の「大きな音符(幹の音)」が

きちんと「時間通りの位置」に来るということ。

この幹の音が正しい位置に来ないと、曲の骨格がくずれてしまいます。

「装飾音符を取り払って練習してみる」

というのも骨格をつかむためには効果的でしょう。

 

また、装飾音符は極めて軽く入れて、

「大きな音符(幹の音)」よりも目立ってしまわないように演奏するのが基本です。

楽曲によって多少の例外はありますが、

基本的に「装飾音符」というのは、あくまで装飾的な要素です。

軽く入れないと、

主な音符で書かれている音よりも偉そうに聴こえてしまいます。

 

「拍の前に出さない」装飾音符

 

「モーツァルト : ピアノソナタ第9(8)番 K.311 第3楽章」を例に出しましょう。

次の譜例(曲頭)を見てください。

「バロックや古典派の作品」の装飾音符は基本的には「拍の前に出さない」のが慣例

となっています。

 

1小節目(アウフタクトは1小節に数えません。)ではラインを入れましたが、

このように装飾音符は前に出さずに左手と合わせて演奏します。

この場合、

装飾音符は極めて「短く」入れないと

リズムが曖昧になってしまいますので気をつけましょう。

 

モーツァルトの装飾音符の勉強方法

 

先日の記事で、

レオポルド・モーツァルトが書いた「バイオリン奏法」という本をご紹介しました。

こちらを参考にするのはもちろんオススメですが、

他にも、

「奏法譜から学ぶ」

という勉強方法もあります。

ヘンレ版の「モーツァルト ソナタ集」では、

部分的にではありますが

別紙で「奏法譜」が付属してきますので(少なくとも私が購入した時点では)、

それを参考に勉強できます。

ただ、応用できるようにするためにはそのまま弾くのではなく

「どのように装飾を入れているのかつぶさに観察してみること」

これが重要。

それによって、

「こういうパターンの時はこのように装飾音符を入れればいいんだ」

などと自分の糧にしていくことができます。

ヘンレ版などの「信用のある版」による奏法譜だからこそ

取り組んでみる価値はあるでしょう。

 

モーツァルト: ピアノ・ソナタ集 第1巻/ヘンレ社/原典版

モーツァルト: ピアノ・ソナタ集 第2巻/ヘンレ社/原典版

レオポルド・モーツァルト: バイオリン奏法(ピアノ奏者にとっても有益なオススメの一冊です。)

 

なぜ?「トルコ行進曲」の装飾音符の疑問

 

「モーツァルト:トルコ行進曲」の譜例(曲頭)を見てください。

このように、

16分音符で弾く音符が装飾音符で書かれていて

「なぜ?」

と思ったことはありませんか?

これには研究があり、

「非和声音は拍頭につけるときには大きい音符でつけてはいけない」

という習慣がこの時代にあったことが音楽学で明らかになっています。

 


 

最後に、ワンポイントアドヴァイスとして、

以前に投稿した関連ツイートをのせておきます。

詳細はまた別記事で。

 


 

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